住用町市小マダイ稚魚放流作業

マダイの稚魚を放流する市小児童たち

「大きくなってねー」

 奄美市住用町の市小学校(岸田さゆり校長、5人)は1日、豊かな漁場を目指して「種苗(マダイ稚魚)の放流作業」(すみよう漁業集落主催、森田勇代表)を同港で行った。参加した児童5人は、稚魚の入ったバケツを海に向けてひっくり返し、「バイバーイ」「大きくなってねー」など声をかけながら放流した。

 同事業は、2017年度離島漁業再生支援交付金事業の一環で、地域資源である漁場の生産力の向上を目的に実施。放流作業は、同総合支所産業建設課協力のもと、環境保全教育の一環として同小の児童らが行った。

 マダイの稚魚は、近畿大学水産研究所でふ化・中間育成した種苗千匹を購入。他魚の捕食を防ぐため約1年、10㌢程度まで育てた稚魚を使用した。

 この日は、約500匹を関係者が住用湾沖合に放流し、残りの500匹を児童らが放流。バケツの中で元気に泳ぐ稚魚に児童らは「泳いでるー」「狭そー」などにぎやかに魚の生態を観察した。

 作業冒頭、同産業振興係・肥後雅一さんが「お魚が大きくなって帰ってくるように、みんなで祈りながら放してあげてください」とあいさつ。同湾沿岸部の桟橋に移動した児童らは、合図とともに次々と稚魚を海に放し、泳ぎ出す魚を見送った。

 4年・大川亮耶くんは「大きくなったらまたここまで戻ってきてほしい。みんなで釣っておいしく食べたい」と喜んだ。