空自ヘリの落下ドア一部発見

航空自衛隊那覇基地所属のCH‐47=知名町、沖永良部島分屯基地=

回収したドアと考えられるヘリコプターの部品=知名町、沖永良部島分屯基地=

知名町の分屯基地から約200㍍草地
周囲に畑 地元農家から驚きの声も
今井町長「二重三重の整備を」

 6日午後6時50分ごろに、知名町の航空自衛隊沖永良部島分屯基地に着陸しようとしていた、空自那覇基地所属の大型輸送ヘリコプターから落下した後部ドアの一部は、7日早朝、空からの捜索で基地ヘリポートから約200㍍離れた草地で発見され、その後回収された。現在までに被害情報などはなく、防衛省は落下原因等を調べている。

 同省によると、ドア一部が落下したのは、米国ボーイング社開発の「CH―47」で、航空機後部のカーゴドア(四角形・灰色および迷彩色、大きさ約160㌢×約240㌢、厚さ4㌢、重さ約31㌔)が落ちた。

 当時、同島分屯基地に向けた訓練飛行中で、ドアが落下するのを乗員が確認しており、着陸した後、町役場へも伝えられたという。

 落下部品は、7日午前6時55分ごろ、基地ヘリポートから南東に約200㍍離れた草地で、空から捜索していたヘリコプターの乗組員が発見した。

 後部ドアが知名町に落下した事故を受け、同町の今井力夫町長は「人的被害がなかったのが幸いだった。今後、発生しないよう機材全般を二重三重にも入念に整備してもらいたい」と述べた。

 今井町長は、6日午後8時43分に小野寺五典防衛相から謝罪の電話があったことを明かした。7日午前8時50分ごろに、分屯基地の幹部2人が役場を訪れ、謝罪と落下部品の発見の報告を行ったという。

 落下部品は、同町大山の山田ダムの法面で発見された。ダムの周囲は、サトウキビ畑やバレイショ畑が広がっており、部品の落下場所から200㍍ほど離れたバレイショ畑で収穫作業をしていた男性は「昨日(6日)は、雨で作業をしていなかった。すぐ近くで驚いた」と語った。

 昨年、大型輸送機オスプレイが空港に緊急着陸した奄美大島でも、懸念の声が上がっている。奄美ブロック護憲平和フォーラムの関誠之代表は「住民の安全を守るべき自衛隊が、逆に安全を脅かしてしまった。原因がしっかり究明できるまでは、ヘリを飛ばさないようにしてもらいたい」などと話した。

 同日、小野寺防衛相は、記者団の質問に対し、「大変遺憾。原因究明の上、再発防止を講じていきたい」と述べた。