準グランプリの賞状を授与された「プランツプラネットプロジェクト」の企画制作を行った元井さん=東京大学安田講堂にて
デザインを担当したハシットンマ・ワークスの渡武志氏(左)とプレゼンしたアイデアのパネルを抱えて
【東京】(一社)女性未来農業創造研究所は(公財)イオンワンパーセントクラブの特別協賛で7日、東京大学安田講堂で未来農業Daysを開いた。「大地の力コンペ」社会人の部で上位4組のファイナリストに選出されていた奄美大島のメンバーを中心としたチーム「プランツプラネットプロジェクト」が最終プレゼンに登壇し、準グランプリ(グランプリ該当なし)を獲得した。
同コンペは今回2回目の開催で、農業の力やそのフィールドを通して様々な社会課題の解決を目指す「アグリ+アイデア」を表彰するとともに、未来に向かって大きく羽ばたく手伝いをすることが目的。未来農業の通信となる若者・女性が活躍できる事業やアイデアにスポットをあてるとともに、異分野からの知恵も取り上げながら農業の裾野を広げることも目指している。
同プロジェクトは、全国的に放置され課題を抱える竹林と、減少しつつある地域の作物の種子のバランスをとる仕組みを発案。企画制作を行った「島がちゃ本舗」の元井庸介さん(35)は受賞の感想を求められると「ビックリした」と目を丸くして喜びを語り、今後は竹のカプセルからサトウキビのかす「バガス」でサンプルを作っていきたいと次の一手に挑む。
元井さんたちのプロジェクトが発案したものは、竹を原材料としたバイオマスプラスチック「Physeron」(ヒューセロン)で開発したカプセル型ポットとパッケージ。家族みんなで楽しめるガチャマシン対応の植物育成型カプセルで「農」の間口を広げ、農作物の多様性と里山の自然バランスを未来につなげるという奇想天外なアイデアだ。
3年前から実現に向けて動いた元井さんは、二組の農家と鳥取の工場とのチームで実現に向けて取り組み、昨年の11月にコンペに提出。最終プレゼンで「高校生のようにうきうきしてプレゼンした。農家の人たちに理解していただくことに心を砕いたが、分かってもらってよかった。家庭菜園から始まったアイデアを仕事として今後は、畑にやっていきたい」と抱負を述べた。
講評で納口るりこ実行委員長は「社会人の部はグランプリはなかったが、新しい種のガチャガチャなど、アイデアは斬新だが、今後の展開を見てみたいと思い準グランプリとした」と元井さんたちの今後に期待を寄せた。