「劇団四季」奄美で公演

迫力ある演技で子どもたちを魅了した劇団四季の「ガンバの大冒険」

舞台通じて心に学び
島内の小学生、約1千人観劇

 劇団四季ファミリーミュージカル「ガンバの大冒険」の奄美公演が16日、奄美市名瀬の奄美文化センターであった。島内5市町村の小学校39校から約1千人が訪れ、アクロバティックな演技に息を飲み、国内屈指の演劇に心を震わせた。

 同公演は「こころの劇場」((一財)舞台芸術センター主催)の一環。2008年から同劇団とともに、全国の子どもたちに舞台を通じて「生命の大切さ」、「人を思いやる心」などを、学んでもらうために実施している。今回は俳優、スタッフ計約35人で来島し、磨き上げられた演技を披露した。

 同作品は斎藤惇夫の小説をミュージカル化したもの。町暮らしのネズミ「ガンバ」が島ネズミの「忠太」の故郷を守るため、仲間とともに力を合わせて戦うストーリー。「勇敢な心」や「仲間の大切さ」を観客に問いかける作品となっている。

 会場を満席にした子どもたちは、割れんばかりの拍手で開幕を迎えた。眼前で繰り広げられる美しく揃った演技に感動し、ユーモラスなせりふ回しのある場面では笑い声を響かせた。終演後、喝采を浴びた俳優らが観客席を通ってピロティーへ。ホールを出た子どもたちに「ありがとう」と感謝を述べ、ハイタッチなどで喜ばせた。

 劇団四季の公演を過去にも見たことがあるという芦花部小5年の比良那奈加さんは「四季の劇が良く知っている舞台で見られてうれしい。役になりきっての演技で、臨場感がありぞくぞくする」と笑顔。初観劇の東城小5年の宮澤光希くんは「動きが揃っていてすごい。見るものだけではなく、音で表現されているところに感動した」と目を輝かせた。