オオトラツグミのさえずりを記録し個体数を調査(奄美中央林道内)
さえずり数79羽確認
学生ボランティア50人以上参加
NPO法人奄美野鳥の会(鳥飼久裕会長)は18日早朝、奄美中央林道全域で奄美大島のみに生息し、国の天然記念物に指定されている野鳥オオトラツグミのさえずり一斉調査を行った。同林道で確認されたさえずり数は79羽。鳥飼会長は、「学生のボランティア50人以上に参加してもらった。今後もボランティアの協力などで、さえずり調査を継続していきたい」と語った。
同種は、生息環境の悪化などにより個体数の減少が深刻化。そのため環境省のレッドリストで、同種は絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている。
同会は生息数把握と保護を呼びかけるため、1994年から調査を開始。25回目となる今回の調査に、島内外から157人がボランティアで参加した。
一斉調査を実施した奄美中央林道(約45㌔)では、奄美市の名瀬・住用ルートの7ルート(里、金作原、川神、スタルマタ、赤土山、神屋)に分かれ、2㌔ごとに配置された調査員が2、3人1組で歩きながらさえずりを聴いて記録した。
里班では午前5時50分ごろから鳴き声を確認。聴こえた場所では、方位と時刻を配布された地図上に記入した。
調査開始以来、過去最高は2016年の106羽。今回、昨年の54羽に比べて25羽増となった結果に同会は、昨年の悪天候から今回は好天の調査となったことで増えた可能性を指摘した。
岐阜大学2年生で野生動物同好会サークル所属の岡本健太郎さん(20)は昨年に続いて2度目の参加。「さえずりがやっと聴けて良かった。世界自然遺産登録で、たくさんの人が奄美に来て自然などに影響が出ないかが心配」と話した。