ボタンウキクサ侵入確認

水田に侵入したボタンウキクサを駆除する参加者たち


水田に群生しているボタンウキクサ

龍郷町大勝の水田 田植え前駆除
「希少種保護と外来種対策を」

 県自然保護推進員の宇都宮英之さんは23日、龍郷町大勝の水田で環境省奄美野生生物保護センター職員や住民などと外来種ボタンウキクサの駆除を行った。作業を行い、宇都宮さんは外来種の現状確認の必要性を指摘し、「外来種に対する全体的な取り組みが世界自然遺産登録を目指す島としてあるべき姿でないか」と強調した。

 

 同地は大美川沿いの加世間又で営まれている水田地。宇都宮さんによると、龍郷町内では10年ほど前からボタンウキクサの侵入があり水田の管理者などが自主的に駆除を行っていた。

 ボタンウキクサは南アフリカ原産で、特定外来生物や日本の侵略的外来種ワースト100に指定。観賞用に導入されホームセンターなどで販売されていたこともある。繁殖力が強く、在来種や稲と競合し、水面を覆いつくすほど繁殖すると水質悪化や水流阻害などの問題を引き起こすという。

 参加者は田植え作業を予定している水田に入り、引き抜いたボタンウキクサを土のう袋などに集めて回収。泥の中で足を取られながらの駆除に悪戦苦闘しながら取り組んでいた。

 特定外来生物で移動が禁じられているため、駆除したボタンウキクサは水田などに入らないよう陸上で放置し腐らせる処理を実施。この日の作業で群生の約8割(土のう袋15個)を除去し、残りも後日に作業を実施する予定とした。

 宇都宮さんは、「希少種の保護と外来種対策を一緒に取り組んで行く必要があるだろう。今回は田植え間近ということで実施したが、全体的な状況を確認して対策を行う組織作りが必要でないか」と話した。