生誕110年・一村展始まる

生誕110年・一村展始まる

全Ⅲ期に渡る田中一村展が同記念美術館でスタートした

足跡たどる約110点展示
全Ⅲ期にわたり大規模展覧

 奄美に魅せられた孤高の画家・田中一村の企画展「生誕110年 奄美への路Ⅰ 田中一村展」が23日、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館で始まった。同企画展は、奄美で独自の美の世界を拓いた田中一村の「生誕110周年」などを記念して約10カ月・全Ⅲ期に渡り開催。通常展示とは異なる趣向で、東京・千葉時代の作品とともに、奄美19年間で生み出した作品群を大規模に展覧し、一村の新たな魅力、その足跡をたどっていく。

 今回の第Ⅰ期および第Ⅱ期の展示では、東京・千葉・奄美時代と展示室を区分けし、幼少作品から順を追って、一村の画風や描写、心境の変化などがたどれるよう工夫。作品は同館所蔵品を中心に、南画や日本画、九州・四国・紀州などを旅した貴重な作品など約110点を展示し、一村生涯に渡る画業を一望する。

 期日は、第Ⅰ期が6月19日まで、第Ⅱ期が6月21日~9月25日、第Ⅲ期が9月29日~19年1月15日まで(予定)。会期中は「宮崎緑館長トークイベント」「学芸員ギャラリートーク」「田中一村を魅了した奄美フォトコンテスト」などの関連プログラムの開催も予定している。

 同館・前野耕一学芸専門員は「これを機に奄美の人にもまた遊びにきてほしい。一村が興味を抱いた奄美やその人生を、一つ一つの作品から読み取り感じ取ってほしい」と話した。