AGF実証農場「苗植え式」

AGF実証農場「苗植え式」

AGFコーヒー実証農場で苗を定植する品田社長(左端)ら関係者=20日、伊仙町面縄

日本人の味覚に合う国産コーヒー産地に 伊仙町

 【徳之島】「徳之島コーヒー生産プロジェクト」で国産「ジャパニーズコーヒー」のブランド化を模索している味の素AGF㈱(本社・東京都、品田英明代表取締役社長)は20日、徳之島コーヒー生産者会(吉玉誠一代表、26人)とともに伊仙町面縄のAGFコーヒー実証農場で「苗植え式」を実施。防風対策など課題克服を図りつつ、国産コーヒーの島への生産拡大、地域振興に期待を寄せ合った。

 AGFから国内コーヒー産地リサーチの依頼を受けた総合商社丸紅㈱(東京都)が、伊仙町の徳之島コーヒー生産者会をあっ旋。AGF側が、育苗ハウスの建設や台風・塩害対策の低木種品種の種苗提供など1期3年計画で支援することで昨年6月、伊仙町を交えた官民4者で調印。11月に播種・育苗に着手。実証農場(約10㌃)には会員らが約1年2カ月、別地で先行育苗した苗を計200本定植する予定だ。

 「苗植え式」にはAGFの品田社長をはじめ同社スタッフと研修社員、丸紅、地元生産者会員、伊仙町当局など関係者約50人が参加。あいさつで大久保明町長は「国産コーヒーの価値を高めて日本や世界中の人々に飲んでもらうAGFの壮大なスケール。防風対策を徹底すれば必ず成功すると思う」。37年前から取り組んできた生産者会の吉玉代表も「今日が(新たなステージへの)徳之島コーヒーの出発式。2018年はコーヒー元年。〝ゼロ〟にはしない有機無農薬栽培を追求。キューバのやり方を学び出発点に」と決意を紹介。

 丸紅の梶原和幸・飲料原料部長も「アジアでおいしいコーヒーを作りたい。徳之島コーヒーはその究極の目標。とにかくおいしい。われわれは持続可能な生産を徳之島でも定着させていきたい」。

 そして品田社長は「企業戦略の『ジャパニーズコーヒー』をスローガンに、日本人の味覚に合う、日本人においしいと思ってもらえるコーヒーが目的。何年かかろうが、日本人が精魂込めて作った豆を使って、われわれの販売網など機能を生かし、日本人が作った豆で日本人の味覚に合うおいしいコーヒーを作りたい」とあらためて強調した。

 同実証農場では200本を栽培して3、4年後の収穫量100㌔~1500㌔、徳之島全体では5年後1、2㌧を目指す。AGF社員教育では年間3、4回10人ずつを派遣予定という。