宿泊情報共有し連携

インターネット上で宿泊状況を共有する試みがスタートした

IT使い受入態勢強化へ
あまみ大島観光物産連 業界初、ルールづくり必要

  増加傾向にある観光宿泊客の受入を強化するため、(一社)あまみ大島観光物産連盟はこのほど、インターネットサービスを活用し、宿泊情報を共有しながら業界が連携して受け入れる取り組みをスタートさせる。23日は、奄美市名瀬の同市ICT人材育成センターで実証試験の説明会があり、参加した奄美大島島内の事業所関係者は画面上での情報閲覧や入力方法などを確かめ、ルールづくりについて話し合った。

 今夏を目指す世界自然遺産登録を前に、来島者の宿泊ニーズに追いついていない宿泊施設の受け皿づくりに取り組もうと企画。同連盟宿泊専門委員会、奄美観光協会の会員を対象に参加を募った。

 同連盟は今回、希望施設が満室だった利用客にホテル側が画面上で空き状況を確認し、宿泊施設を紹介するシステムを提案。米インターネット検索大手の無料サービス「グーグル・カレンダー」を活用した共有ネットワーク化を目指すという。

 この日は9事業者16人が参加。4月終盤から始まる大型連休の空き部屋の状況を、「残あり」を○、「僅少」を△、「満室」を×―として、各担当者が現在の宿泊状況を入力すると、画面上のカレンダーには各社に用意したカラーバーが次々に現れ、他社の動向が一目できるようになった。

 宿泊情報を共有するという業界初の試みに関係者の反応は様々。「観光客とビジネス客で入込時期が異なる。案内時は客層の情報共有も不可欠」「各社の意向を反映させた統一ルールが必要」「どこまで共有できるか、事業者ごとに判断は分かれる」などの声が聞かれた。

 同連盟マーケティング・Web担当の長瀬悠さんはコストをかけず、受入強化に向けた業界の連携を重視。「観光客をもらすことなく、垣根を越えた受入態勢づくりにつなげたい。まずはその一歩になれば」と意気込む。今後も対象事業所に参加を呼びかけ、数カ月ごとに会合を開き、改善点の洗い出しを図る方針。