外来種ムラサキカッコウアザミ(円内)の駆除を行ったマングースバスターズ
環境省と一般財団法人自然環境研究センターの奄美マングースバスターズは27日、奄美市住用町の奄美中央林道のきょらむん橋付近などでゴミ拾いと外来植物駆除を行った。同バスターズは活動を行った場所が、「奄美大島で貴重な生き物が生息している地域。毎年続けているので、外来植物の繁殖する範囲は狭くなっている。活動を通して外来種などの問題を知ってもらいたい」とした。
この日はバスターズ13人と環境省奄美野生生物保護センターの職員3人の計16人が駆除活動に参加。奄美中央林道の住用川上流に架かるきょらむん橋を中心に延長1㌔の範囲で、ムラサキカッコウアザミなど外来植物の駆除を行った。
ムラサキカッコウアザミは、環境省が選定した「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」にリストアップされている中南米原産のキク科草本。奄美大島の農地周辺でよく見られ、日当たりの良い場所を好み中央林道内でも生育確認されていた。
この駆除活動はボランティアで、2015年にスタートし4年目。きょらむん橋周辺は昨年に群生をあらかた駆除し、林道の凹凸をならす工事でムラサキカッコウアザミが減少。今回の作業は、より細やかに小さなものも見逃さないよう注意して実施した。
橋周辺の新たに生えたムラサキカッコウアザミを根が残らないように除去し、容量90㍑のポリ袋で回収。約2時間の作業でポリ袋15袋分を集め、名瀬クリーンセンターに持ち込んで焼却処分にするという。
4年目を迎えた駆除活動についてバスターズ広報担当の後藤義仁さんは、「特定外来生物に指定されていないが、ムラサキカッコウアザミは繁殖力が強く在来種に影響を及ぼす。毎年バスターズで駆除し続けているので、群生も減り生息する範囲も狭くなってきている。外来種はマングースだけではない。活動を通して、外来種だけでなく、いろんな問題があることを知ってもらい協力いただければ」と語った。