「奄美シマ唄日本一大会」

「奄美シマ唄日本一大会」

奄美シマ唄日本一大会で最優秀賞に輝いた川口成美さん

民謡民舞少年少女奄美連合大会・中学生の部で優勝した政木佳奈さん

最優秀賞は川口さん(北大島)
中学部優勝・政木(喜界支部)
少年少女民謡民舞奄連大会

 日本民謡フェスティバルへの登竜門となる「奄美シマ唄日本一大会」(公財)日本民謡協会奄美連合委員会主催・奄美新聞社協賛)が29日、龍郷町の体育・文化センターりゅうゆう館で開かれた。約60人が参加し、それぞれの得意曲を熱唱し、中年部で「よいすら節」を歌った川口成美さん(北大島)が最優秀賞に選出された。また全国大会の予選を兼ねた「民謡民舞少年少女奄美連合大会」(同)も同会場で開かれ、約40人が参加し、中学校の部で政木佳奈さん(喜界支部)が優勝した。

 「奄美シマ唄日本一大会」は毎年開催され、大会で最優秀賞に輝くと日本民謡フェスティバルの出場候補となる。また各部門の上位入賞者は来年4月に熊本県で開催の「民謡民舞九州地区大会」に参加する権利を得る。

 出場者たちは大島紬などを身にまとい、シマ唄を情感豊かに歌唱。前田和郎審査委員長は、「奄美での大会は、裏声による哀愁性が評価される。全国大会では、声量の大きさが求められる。力が入りすぎて、自然さに欠ける出場者も見られた。若い人や子どもたちが方言を使いシマ唄を歌うようになっている。今後盛大になることを願う」と講評した。

 最優秀賞を獲得した川口さんは、10年以上前からシマ唄を習い始めたという。「思いもよらない受賞で、とてもうれしい。九州大会は初出場となるが、出場するからには受賞に恥じないよう頑張りたい」と語った。

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 午前中は同会場で、「民謡民舞少年少女奄美連合大会」が開かれた。大会の上位入賞者は8月に東京で行われる全国大会への出場権を獲得できる。中学生以下の子どもたちが学年別に3部門に分かれ、日頃の練習の成果を発揮した。

 大会後の講評で、同委員会の生元高男副委員長は、「子どもたちの頑張りに感動した。支部の先生たちには、シマ唄だけでなく、シマグチの発音も教えてほしい。これからもシマ唄を学んで行ってもらいたい」と語った。

 中学生の部で優勝した政木さんは、小学3年生からシマ唄を学んできたという。部活などであまり練習できなかったとし、「優勝できてうれしい。全国大会に向けて、頑張りたい」と話した。

 各部門の入賞者は以下の通り。(敬称略)

「奄美シマ唄日本一大会」

 【青年部】▽優勝=岡美里(喜界会)「塩道長浜節」▽2位=長井舞(北大島)「雨ぐるみ節」▽3位=與優華(山ゆり会)「まんこい節」▽4位=盛山南里(ルリカケス会)「長雨切り上り節」▽5位=森永あすか(山ゆり会)「今の風雲節」
 【壮年部】優勝=伊賀美佐子(山ゆり会)「うらとみ節」
 【中年部】▽優勝=川口成美(北大島)「よいすら節」▽2位=朝木綿子(山ゆり会)「嘉徳なべかな節」
 【高年部】▽優勝=中ほず美(名瀬)「黒だんど節」▽2位=西林由美子(瀬戸内会)「徳之島節」▽3位=吉美智子(山ゆり会)「やちゃ坊節」▽4位=藤岡俊一(瀬戸内会)「嘉徳なべかな節」▽5位=荒田スミ子(ルリカケス会)「黒だんど節」
 【翁松部】▽優勝=嘉川敏子(瀬戸内会)「行きょれ節」▽2位=村田頼子(ルリカケス会)「行きょれ節」▽3位=村山美智子(山ゆり会)「請くま慢女節」▽4位=浜田百合子(名瀬会)「よいすら節」▽5位=藤山ヨシ子(ルリカケス会)「ヨンカナ節」
 【錦寿部】▽優勝=日置幸男(ルリカケス会)「長雨切り上り節」

 「民謡民舞少年少女奄美連合大会」
 【小学校低学年(3年生以下)】▽優勝=朝そら(山ゆり会)「らんかん橋節」▽2位=奥野乃佳(ルリカケス会)「らんかん橋節」
 【小学校高学年(4~6年生)】優勝=朝岡歩紀花(山ゆり会)「請くま慢女節」▽2位=鈴木明(山ゆり会)「らんかん橋節」▽3位=德永理咲(北大島)「やちゃ坊節」▽4位=千田真帆(山ゆり会)「黒だんど節」▽5位=村山遥(山ゆり会)「イトー」
 【中学校】優勝=政木佳奈(喜界)「むちゃ加那節」▽2位=萩原かほ(あやまる会)「やちゃ坊節」▽3位=宮村祐花(徳之島民研)「やちゃ坊節」▽4位=辻竜生(あやまる会)「やちゃ坊節」▽5位=村山慶次郎(山ゆり会)「長雲節」