県指定「中甫洞穴」学ぶ

中甫洞穴から見つかった土器などを手に取る子ども達=知名町=

「島の歴史に興味持って」
知名町下平川小・郷土学習

 【沖永良部】知名町立下平川小学校(今井正校長)でこのほど、6年生17人を対象にした郷土学習の授業が行われ、校区内にある県指定文化財史跡「中甫洞穴」について学んだ。

 中甫洞穴は、同町久志検集落の標高約100㍍の場所にある。鍾乳洞の開口部分と窪地内に遺跡が形成され、奄美群島最古の土器で縄文土器文様の一つ「爪形文土器」が発見されている。今年3月、県文化財に指定された。

 今回の授業は縄文時代がテーマ。同町役場の宮城幸也学芸員が講師を務め、史跡で見つかった土器や石で作られた道具を児童らに見せながら「昔、沖永良部にいた人は洞窟でも生活していた」「普通の石に見えるが、木の実をすりつぶしたり、割ったりすることができる」などと説明した。

 出土品を手にした子ども達は「重たい」「どうやって使っていたの」と友達同士で話し合っていた。

 授業では、縄文時代の暮らしをイメージしてもらおうと、火起こしや手作りの弓矢を飛ばす体験もあった。

 同小6年の中倉ほなつさん(11)は「弓矢の使い方は難しかったが、的に当てられた。洞窟から人骨や土器が出てきたことに驚いた」と語った。

 宮城学芸員は「中甫洞穴は、島の大事な史跡。地元でも知らない人が多いので、もっとPRして島の歴史に興味を持ってもらいたい」と話した。