被災者想定し机上訓練

被災者想定し机上訓練

加來さん(右)の指導で災害対策机上訓練などが行われた介護支援専門員協議会支部総会・研修会

地域包括ケアシステム構築へ
介護支援専門員協支部総会・研修会

 NPO法人県介護支援専門員協議会奄美大島・喜界島支部(福留成吉支部長)は2日、奄美市名瀬の奄美病院デイケア棟研修室で2018年度支部総会・研修会を開いた。17年度事業報告や、役員改選案と18年度収支予算案などを承認。研修会では講演や災害時の対応を身に付けるため災害対策机上訓練も行われた。講師は、机上訓練の成果が日常のケアマネジメントにも反映されるとし、参加者自身が適切な対応が取れるよう指導した。

 開会で福留支部長があいさつ。17年度事業報告では、理事会や研修会、フォーラムなどの実施状況が報告された。

 役員改選では福留支部長を継続して選出。4人の理事が退任し、4人が新理事に選ばれた。

 総会終了後に18年度の第1回研修会を実施。(一社)日本介護支援専門員協会九州・沖縄ブロック理事の加來留=かくとどめ=災害対策特別委員を講師に迎え、災害対策机上訓練を行った。

 講師は熊本県菊池市在住で、16年の熊本地震で自身も被災しながら被災地でのケアマネジメント活動に従事。講師はスライドで、被災状況や多くの被災者が車中泊したことなどが紹介された。

 ケアマネ災害対策机上訓練では、参加者は9グループに分かれ講師から訓練方法の説明を受けた。

 机上訓練は、▽各自が災害への備えができ、対応できるようにする▽災害対応マニュアル検証と地域資源の再確認ができるようになる―などの目的。「訓練を通して介護支援専門員が、災害時に適切な避難行動をとり、利用者の生活を守ることができるようにする」。

 訓練は奄美市で震度6強の直下型地震(津波なし)の発生を想定。各グループは、特養などの施設、サービス事業所、包括支援センターといった設定で、グループ名を決め組織の目標に沿いタイムフェーズごとの要支援者対策を個人シートに書き出した。

 フェーズⅠは、発災直後~10時間の期間とし、ライフラインでは水や電気などが断絶し、幹線道路が通行不可能な状態と仮定。参加者は自グループの目標を達成するため、何をすべきか考え、使える物、バックアップしてくれる物などを利用して災害対策をシミュレーション(模擬訓練)した。

 加來さんは、「地域包括ケアシステムは災害時にも生かされる。連携体制を構築してほしい」と語った。