地域に響く  島唄の音色

地域に響く  島唄の音色

講師の中田和子さん、会員で三味線担当の林康雄さん、足田廣好さん、栄忠広さん(左から)

 

長雲会の教本「島唄の道しるべ」

文化団体活動  島唄長雲会
月4回練習に励む  福祉施設慰問続ける

島唄長雲会(島袋徳男会長)は現在、奄美市名瀬の名瀬公民館金久分館2階研修室で毎週木曜日夜間(第5木曜日除く)練習に励んでいる。2017年4月現在の登録会員は約50人。月4回ペースで練習を続け、年末に忘年会を開き会員交流を図っている。毎年5~6月に1~3班ごとに特別養護老人ホームなど福祉施設を慰問、島唄や舞踊を披露してきた。

07(平成19)年4月結成。島唄愛好家団体「阿世知やまびこ会」で講師を務めていた阿世知幸雄氏が辞めることになったため、「やまびこ会」で練習していたメンバーで、「島唄長雲会」を結成することになった。結成当初の登録会員は約90人。

初代会長は藤山初夫氏が務め、09年から2代目の島袋氏(76)が会長を務めている。会長任期は2年。副会長は浦口ノリ子さん、事務局長は藤山よしこさん。3班に分け、会費徴収、連絡事項を伝達している。

練習時間は、午後7~9時。休憩時間を利用し、数人で発表もしている。教本に沿って練習。曲名は朝花節、長朝花節、朝顔節、一切朝花節、糸くり節、行きゅんにゃ加那節、よいすら節、くるだんど節、俊良主節など。

教本は、阿世知やまびこ会時代に製作されたものに、幾つか追加したものを使う会員がいる。62㌻プラスコピーした島唄など数枚。教本表紙には「奄美大島 なつかしゃかな 島唄の道しるべ」と記されている。01(平成13)年2月に製作されたものらしい。新しく製本し直した教本を使う会員もいる。?曲掲載。表紙には「長雲会 島唄の道しるべ」と記されている。

「まずは島唄を習いたい」と思っている人が会員になる事例が多いという。独自に三味線練習を重ねて、木曜日の練習の中で三味線担当する会員が3~4人いる。多いときの参加者数は30人台、少ないときは20人台が練習に参加している。

会員の最高齢は77歳、最年少は20歳代前半。奄美市名瀬在住者が多く、遠くは笠利町から通う。女性の割合が多い。

独自の発表会は開催していない。毎年10月下旬に奄美文化センターで開かれる「奄美市民文化祭」に参加している。13年4月には奄美パークで開かれたイベントに参加。貸切バスで奄美パークへ行った。

福祉施設の慰問を続ける。昨年は5~6月に特別養護老人ホーム「芦穂の里」、「住用の園」、「めぐみの園」を慰問。島唄のほか、舞踊を披露することもあるという。

会費は1人月千円。練習で借りる部屋代、夏場のクーラー代などの経費に充てている。島袋会長は「島唄の基本を学べば、人が変わり、楽しみになってくる。島唄文化を維持していくには、島唄団体の会員数維持が必要。財政状況は厳しく、運営の苦労は多いが、うまくやりくりしていくしかない」と話した。
    (東江輝文)

 

島唄練習に励む女性会員

 

男性会員(奥側)も参加し、女性会員と一緒に島唄練習