重田氏の基調講演を交え研さん交流した奄美大島地区商工会中小企業大学講座=3日、天城町
【徳之島】2018年度奄美大島地区商工会中小企業大学講座(県商工会連合会主催)が3日、関係者ら約300人が参加して天城町防災センターであった。同町出身で「ロサンゼルス新撰組」レストラングループ局長の重田光康氏(52)が「想いの伝導」と題しグローバルな視点から基調講演。分科会や全体会でも研さん交流を深めた。
奄美大島地区の商工業者の経営意識の高揚や離島振興、地域振興活動に対する自己啓発―などを目的、同地区商工会連絡協議会などが共催。天城町での開催は17年ぶり。
県商工会連合の森義久会長(全国商工会連合第13代会長)は「世界自然遺産登録は延期になったが、昨年誕生した奄美群島国立公園や大島紬、奄美の食に代表される多様な文化が紹介された。官民一体で次回登録を」。国のインバウンド政策やLCC(格安航空)就航、大河ドラマ『西郷どん』の撮影地化でも「(奄美は)これまでにない大きなチャンスを迎えている」。伴走型の小規模事業者支援事業などの展開と併せた会員増強運動、職員の資質向上、自己研さんの地域間交流の促進などにも期待。天城町の大久幸助町長や柏井洋一商工会長ら4氏が歓迎、来賓あいさつを述べた。
講師の重田氏は大学卒業後、限界に挑戦するため単身渡米。「米国で不動産取引の資格を取って、空手の全米大会でも初出場初優勝する」と宣言。言葉の壁に苦しみながらの猛勉強とトレーニングで1日の睡眠時間2、3時間という生活で双方を達成。大学時代に福岡で感動した焼き鳥の味を原点に現在、ロサンゼルスに14、東京1の計15店舗の日本食レストランを展開する。
重田氏はその歩みをふり返りつつ「誰も見ていなくても一生懸命にやることが信用という無形の財産に。『金を与えているから働け』ではなく、目線を合わせて引き上げることが指導。人は心で動かす」。「成せば成る」の信念での①大義②腹を決める③王道を征=い=く―などもアドバイス。
出身島を例にした自らの新たなビジネス構想も絡め「徳のあるエコの島。延期にはなったが、今こそ世界自然遺産のイメージを生かした貿易、観光、企業誘致が必要。奄美の島々それぞれが特色を生かす奥の深いオンリーワンづくり」も提言した。