入所者が入賞・入選

入賞した猿渡明弘さんと幸裕次郎さんの陶芸共同作品


入選した坂井文也さんの絵画作品

県美展ハートフルの部 猿渡さん、幸さん、坂井さん
愛の浜園、初受賞

 奄美市名瀬知名瀬にある障がい者支援施設「愛の浜園」(榮野和光施設長)入所者3人の作品が、第65回県美展ハートフルの部(障がい者の部)で入賞・入選した。猿渡明弘さんと幸裕次郎さん2人の陶芸共同作品「tenkomori2018」が入賞に選ばれ、坂井文也さんの絵画「あじさいの花」が入選を果たした。同園によると、県美展ハートフルの部で入所者の作品が入賞・入選を受賞したのは初めて。2作品は10日から県奄美パーク田中一村記念美術館企画展示室で始まる「第65回記念県美展奄美関連作家展」で一般公開される。7月1日まで。

 園の担当職員によると、入賞作品は、猿渡さんが作った陶器に、幸さんが作った多数の陶芸ビーズをてんこ盛りにした作品。陶器はテーチ木の灰をうわぐすりとして使用した。ビーズは、ストローに陶芸粘土を巻き、ストローを抜いた後に焼いて仕上げた。長さは1㌢未満~7㌢前後とさまざま。「幸さんは入所してから10年間、こつこつとビーズを作り続けてきた。作品に使ったビーズの5~6倍の個数が別の場所にある」(職員)。

 坂井さんの絵画は、鉛筆、色鉛筆、絵の具を使って描いた。就労事業所での仕事を終え、空いた時間に描いてきた。入選について「うれしいです」と話した。

 榮野施設長は「2作品が初出展、初受賞し二重の喜び。利用者の優れた才能をたくさん発信していきたい」と話した。