輸送コスト支援継続を

奄美水産業として初の要請活動を行った奥田忠廣会長が、野村国土政策局長に要望書を手渡す=霞ヶ関の国交省国土政策局長室で

国交省で要望活動 沖縄出荷でも負担なし
群島水産協など

 【東京】奄美群島水産振興協議会(奥田忠廣会長)と沖永良部漁業協同組合(東善一郎組合長)は14日、金子万寿夫衆院議員とともに国土交通省の野村正史国土政策局長を訪れ、奄美群島振興交付金を活用した奄美群島農水産物輸送コスト支援事業の継続を求める要望活動を行った。

 この事業は、効果検証事業として2016年度の途中から実施しているもの。奄美からソデイカ、アオブダイ、ヤコウガイなどの水産物を食文化が類似する沖縄県へ出荷する際には、国が50%、市町村40%、県が10%補助し輸送負担が全くないことや、今年度末で奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)が期限を迎えるため、漁業関係者は今後の事業継続を希望し「後継者育成につながっている。奄振法に継続事業として盛り込んで欲しい」と要望した。

 これまでは農水産物などを県本土へ輸送する場合の補助はあったものの、沖縄県への水産物の輸送コスト支援事業は初。若い新規就業者たちが増え、高価格で売れる沖縄への輸送に今後も継続をと訴えているという。会員たちの熱い思いを奥田会長らも「事業をやってみて初めて手取り分が増えた若い漁業者たちが喜び、確実に新しい漁業者が増えた。これを絶やすことなく、継続事業として確立できるよう支援を」と要請した。

 金子議員も「どうしたら儲かるかの着眼点で行われた初の水産事業。沖縄との連携をさらに強めて若い漁業者への支援のために次期奄振法へ継続を」と支援を要請した。

 これに対して野村局長も延長が期待されている奄振法への取り込みを検討すると語った。

 初めて要請活動を行った東組合長は「ぜひ、かなえて欲しい。この事業の売り上げは組合にすべて入るが、漁業者には売り上げの半分入る仕組み。半分は船のメンテナンスなどにあてられている。これも大きな要素」と現状を語った。