ミカンコミバエ瀬戸内町説明会

ミカンコミバエの誘殺状況や防除に向け取り組むべきことなどを農家に解説するなどした

風評被害懸念「発生はしていない」
摘果果実の放置注意、適切処理を

 瀬戸内町は21日、同町古仁屋のきゅら島交流館で、ミカンコミバエ種群の誘殺状況説明会を開いた。同町農林課や門司植物防疫所名瀬支所らから担当者が出席し、同町農業振興会果樹部会員らに誘殺状況、農家や地域住民にもできる防除への取り組みについて解説した。同町農林課は「風評被害が一番怖い。発生はしていないので、安易に『発生した』などの言葉を使わないでほしい」などと呼び掛けた。

 同町では7日に阿鉄で、14日に加計呂麻島の於斉でミカンコミバエの雄の個体の誘殺が確認されている。同植防は発見翌日の8日、15日にそれぞれ同町で現地対策会議を開き、発見翌日にはトラップを増設した。また、誘殺地点から半径2㌔以内の寄主植物の調査、初動防除としてのテックス板(1千枚ずつ)の設置も実施。これまでのトラップ調査、寄主果実調査では追加の誘殺、寄生は確認されていない。今後も調査を継続する予定としている。

 この日の説明会では、同植防名瀬支所担当者らが、果樹農家や地域住民に対し、摘果果実をほ場に放置せず、速やかに地中に埋めるか焼却処分するよう呼び掛け。また、寄主果実調査の協力依頼も行った。

 参加した農家らからの「今年植えたばかりのバンシロウなどがあるがどうすべきか」という質問に対し同町農林課担当者は、「バンシロウ(グアバ)には一番寄生しやすいが、伐採は強制できない。集落内で放置されている放任樹があれば、果樹部会の会員で相談し、伐採してもらえれば」と回答。「テックス板に触れないように設置集落住民に周知する必要がある」との指摘に対しては、「今後、防災無線などを通して、周知を行っていく」とした。

 ミカンコミバエの飛来理由について同植防名瀬支所担当者は「梅雨前線に向かい、発生地域からの風が継続的に吹き込む状況が続くことがもっともらしい仮説としてある」と解説。移動規制については「具体的な基準はないが、寄生果実が多数発見され、移動により分散が考えられる場合は規制することがある。現在、規制はないので通常通りの管理で栽培してほしい」と話した。

 同部会の元克美部会長は「3年前に廃棄しなければならない状況になったので不安。広がりを抑えるために農家が意識を高め、対応を徹底する必要がある」と語った。