自然の相違点を体感

自然の相違点を体感

エコツアーガイドの説明を受ける屋久島からの視察団

屋久島空港利用促進協一行 金作原など視察

 チャーター便で奄美入りしていた屋久島空港利用促進協議会(会長・荒木耕治屋久島町長)一行は24日、奄美市と大和村で交流事業の2日目の視察を行った。金作原や奄美野生生物保護センターなどで、世界自然遺産候補地の自然の観察や説明を受け屋久島とは違う自然を体感した。

 一行は奄美と屋久島のさらなる連携に向け、屋久島空港からのチャーター便を利用して2泊3日の交流事業を企画。1日目は奄美空港から奄美大島北部の観光施設など見学し、夕方に奄美大島の行政や観光関係者などと交流懇談会を行っていた。

 2日目は午前中に、奄美市名瀬の金作原で自然観察。宿泊先からバスなどで金作原に移動し、現地では観光ネットワーク奄美に所属するエコツアーガイド3人が参加者をガイドした。

 ガイドは先に立ち、林道で見られる奄美固有の植物や野鳥、生きものなどを案内。参加者は屋久島とは違う植物や景観を観察して、各自デジタルカメラやスマートフォンで撮影していた。

 アカヒゲやルリカケスなどの野鳥のさえずりが聞けた時は、ガイドがタブレットPC(板状で携帯できるパソコン)にその画像を表示して説明。ガイドが「ルリカケスは天然記念物で、鹿児島県の県鳥になっている」と紹介すると、樹上にいるルリカケスを懸命に探す参加者もみられた。

 また林道沿いに設置されているマングース捕獲用のワナも紹介。「一時期はマングースにより、アマミノクロウサギなど希少種が減少。現在は捕獲事業が進み、根絶が近くなっている」。

 樹齢200年と推定されるオキナワウラジロガシの巨木も見学。林道からバスに戻るまで1時間余り視察した関係者は、「奄美の独自の自然が見られた。ただ屋久島もそうだったが、観光客が来た時のトイレが課題になるのでは」と金作原にトイレがないことを懸念していた。

 午後からは、大和村の国直集落と環境省奄美野生生物保護センターの視察が行われた。