龍郷町教委「環境教育」授業公開

龍北中で環境教育の授業公開があり、多くの教職員らが見学し、学習指導方などを学んだ

「自分達にできること」多様意見
龍北中「リサーチきょら」事後学習

 龍郷町教育委員会は28日、同町の龍北中学校(山縣祥美校長、全校生徒12人)で2017・18年同町指定研究協力校「環境教育」授業公開を行った。同授業公開には町内の小中学校教員や関係者らが出席。同校が実践する「リサーチきょら」活動の事後学習を見学し、学習指導方などを学んだ。

 同校では「総合的な学習の時間」の環境教育の一環として01年度から同活動を行っている。奄美海上保安部と協力し、同町嘉渡海岸への漂着ごみを拾い、分析などを行っている。同活動が評価され昨年には海上保安庁長官賞などを受賞している。

 今年度は4月27日に実施し、460㌔のごみを回収。このほかにも奄美野生生物保護センターなど関係機関から講師を招き、講話を通して、生徒らの環境意識の高揚を図っている。

 この日の授業では活動の事後学習として、①講話や活動を通してわかったこと②ごみ問題以外の環境問題③奄美大島の魅力―の3テーマに関し、生徒間で意見を交換・共有した。グループごとにKJ法(意見をカードや付箋にまとめ、分類・整理する方法)などを用い、対話的な展開で授業が進められた。

 授業のまとめには「自分たちができること」を提案し発表。生徒らからは、▽ネコを捨てない▽外来種駆除活動への参加―といった自然保護の観点に立った意見のほか、▽方言を使い地域住民との交流を図る▽伝統行事のPR―など環境教育の枠を越え、地域の魅力を残すための意見なども上がった。

 授業を見学した龍郷小の小林優希教諭(23)は「幅広いジャンルについて主体的に取り組むことができていることに感心。教員同士ではよく活用する方法を取り入れ、意見を出しやすくしていることが良かった」と話した。

 この日は授業公開終了後に同中学校区の3小学校(龍郷、円、秋名)の実践発表があった。また、環境省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官が「奄美大島の貴重な自然と世界遺産登録に向けて私たちにできること」と題した講演を行うなどした。