関係者に見送られる「アイランドホッピングルート」初便(徳之島行き)
就航記念式典でテープカットした、JACや行政関係者(奄美空港内)
日本航空グループの日本エアコミューター(=JAC、加藤洋樹代表取締役社長)は1日、奄美大島~徳之島~沖永良部島~沖縄本島(那覇)を結ぶ、「奄美群島アイランドホッピングルート」を開設した。沖縄との交流促進と合わせ、群島間の航空ネットワークを充実。奄美への入込増を背景に、同社は離島各路線の搭乗率6割超、年間2万人の利用増を目指すとしている。
従来の奄美大島―徳之島線の拡張をベースに、各離島を連結するホッピングルートを設定。奄美大島―沖永良部間、沖永良部―与論間の直行便をなくし、連結ダイヤによる新たなルートで群島観光の活性化を図る。就航機材は最新鋭のATR42―600型機(48人乗り)。
同日、奄美空港内で初便就航を記念したセレモニーがあり、松本俊一県大島支庁長、奄美群島広域事務組合管理者の朝山毅市長、伊集院幼大島郡町村会長が来賓で出席し、開設と就航を祝福。朝山市長は「徳之島と沖永良部島を結ぶ沖縄ルートの就航を喜びたい」と語り、今後の利用増に期待感を示した。
出発ロビーでのテープカット後、初便となる徳之島行きJAC3841便の搭乗客に記念の地元特産品を手渡し。観光団体やJAC関係者が駐機場内で横断幕を掲げて、出発を見送った。
同便は徳之島を経由し、沖永良部空港に到着。奄美空港からの搭乗客22人のうち、12人が“ホッピング”利用した。和泊町の大瀬杏奈さん(26)は「観光などで飛行機の利用が増えたらいい」と話した。
JACはこの日(7月1日)、創立35周年の節目を迎えた。離島ネットワークの充実化に向け、ATR機への切り替えによる今後のダイヤ改善を示唆したほか、屋久島間の就航(チャーター便)など生活利用だけでなく、観光需要への対応にも注力する方針だ。
加藤社長は群島全体の交流人口増への貢献を強調し、「鹿児島から沖縄につながる就航計画。会社として、引き続き多くの面での需要創出に取り組みたい」と抱負を述べた。