悲願実現へ必要措置を

三反園知事(中央)らが来年2月1日までの推薦書再提出に向けた措置を菅官房長官(右から3人目)に要望した(代表撮影)

三反園県知事ら菅官房長官に要望
世界自然遺産登録

 世界自然遺産登録を目指している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」に関して鹿児島県の三反園訓知事などは3日、首相官邸で菅義偉内閣官房長官に来年2月1日までの推薦書再提出に向けた措置を講じることなどを要望した。県選出の国会議員も同席して、三反園知事と柴立鉄彦議長連名の「奄美・沖縄の世界自然遺産登録に関する要望書」を手渡した。要望書で世界自然遺産への早期登録は悲願で、登録実現に向け必要な措置を講じることを求め、「前向きな感触」との受け止めもある。

 要望活動を行ったのは、三反園知事、柴立議長、森山裕衆院議員、金子万寿夫衆院議員、尾辻秀久参院議員、野村哲郎参院議員。菅官房長官に三反園知事は、「(政府による)来年2月1日の推薦書再提出に向けて、お力添えをお願いしたい。引き続き全力で取り組んでいく。よろしくお願いしたい」と話した。

 国会議員とのやり取りで、世界遺産の推薦が来年から1カ国につき自然遺産か文化遺産か一つしかできなくなるとして、奄美・沖縄の世界自然遺産を優先してほしいとの意見も。菅官房長官は、「これまでどちらも(推薦)できたのが、これからは一つ。そこも含めて(検討したい)」と述べた。

 要望活動に参加した金子衆院議員は、菅官房長官の前向きな感触を受け取ったという。「来年2月1日に再提出できるように支援いただきたいという点と、世界遺産は自然遺産を推薦してほしいことをお願いした」とし、菅官房長官は要望を受けて「よく分った」と話したとしている。

 要望後に三反園知事が会見。三反園知事は、「環境大臣にも会い、来年2月1日の再提出について合意した。それを受け地元選出の国会議員の先生とお願いしたいと要請した。菅官房長官からは検討したいとのことだったので、私としては再提出に向けて前向きに対応してもらえるものと理解した。今後とも全力で取り組んで行きたい」と語った。

 来年2月1日までに再提出した場合は、IUCN(国際自然保護連合)の現地調査が夏から秋ごろに行われ、20年夏に登録が審査される。