離岸流や救助法など学ぶ

水の入ったペットボトルを要救助者のもとへ投げ入れ、救助する訓練などがあった

宇宿小、シーズン前に海上安全教室

 奄美海上保安部は3日、奄美市笠利町のホテル・コーラルパームスで海上安全教室を行った。近隣の宇宿小学校(岩下博成校長、全校児童32人)の児童らが参加し、離岸流や溺れている人の救助方法などを学んだ。

 同海保は毎年マリンレジャーシーズンの本格化する夏休みを前に、島内の学校で海上安全教室を実施している。同ホテルのプール開きも兼ね、宇宿小での同教室は同ホテルを会場に行っている。

 教室では同保安部交通課の岡本英貴専門官と同課安全対策係の川床悠祐さんが離岸流について説明。離岸流はリーフの切れ目などを陸から沖合に向けて流れる速い波。幅は10~30㍍ということで、川床さんは「巻き込まれた場合は慌てず、岸と平行に泳ぎ逃げてから岸に向かって戻ってくること。岸に戻れない場合は浮いて待つ」と児童らに呼びかけた。

 プールではペットボトルの浮力を利用し、浮く方法を実践。子どもたちはそれぞれペットボトルを胸に抱く形で仰向けに浮いた。ペットボトル以外でも浮流ごみや、クーラーボックスでも浮くことは可能だが、2人は「海に行く際は浮き輪など、浮くものを持っていくこと」と指導。このほかにも▽子どもだけで海に行かない▽足がつくところで泳ぐ▽風や波が強い時には泳がない▽準備運動をする―などの注意事項を挙げた。

 また水を少量入れたペットボトルをひもでくくり、要救助者のもとに投げ入れる練習も実施。ひもを踏んだまま投げ、プールに落ちてしまうなど苦戦する児童らの姿が見られた。

 6年生の豊田安梨さん(11)は「毎年練習しているので、ペットボトルで浮くことなどはできた。夏休みは皆で泳ぐ機会が多いので、高学年が助ける必要がある。慌てず命のことだけ考えたい」と語った。