改修終えグランドオープン

幸代表(中央)、金子衆院議員、三反園知事らがテープカットした

大規模改修が完了した「奄美空港」

待合ロビー、手荷物受取所など拡大
奄美空港ターミナルビル

 搭乗待合室や出発ロビーなど増築・改修工事を進めていた、奄美市笠利町の奄美空港ターミナルビルのリニューアルがこのほど完了し、関係者による落成式が9日、同ビル内で開かれた。幸進也代表取締役、金子万寿夫衆院議員、三反園訓県知事ほか、奄美大島の関係機関代表など約80人が参加。都市圏や各離島を結ぶ、奄美を代表する「空の玄関口」のグランドオープンを祝った。

 奄美群島航空運賃低減事業や格安航空会社(LCC)就航による航空路の利用喚起を背景に同島への入込数は大きく増加した。今回のリニューアルは今後も増加が見込まれる利用客に対応しようと、待合ロビーや手荷物さばき所など施設機能の強化が狙い。

 1988年の開業以来、最大規模のリニューアルとして2016年6月、工事がスタートし、今年6月末に完了。総工費は25・5億円(ビル側負担分約13・8億円)に上った。

 施設全体の延べ床面積は約1・8倍に拡張し7545平方㍍に。特に混雑緩和が求められていた手荷物受取所の到着コンベアは1基追加して2基。また搭乗待合室と出発・到着ロビーは2倍以上に広がり、国際線就航時は税関やCIQ検査の設置も可能となった。

 同空港の乗降客実績は3年連続で最多記録を更新中。17年度は77・3万人を達成した。 18年度はNHK大河ドラマ「西郷=せご=どん」放送開始や、約6年半ぶりとなるスカイマークの鹿児島路線就航(8月1日)も迫り、施設関係者は年間乗降客80万人を意気込む。
 工事完了を記念して、この日は同空港ビル内で記念式典を開催。国や行政、空港事業所、工事関係者による神事があり、参列者全員で安全利用を祈念。落成式には地元選出の県議のほか、航空会社や行政機関、観光団体の関係者も出席した。

 幸代表取締役は、工事による利便性向上と情報発信の強化を挙げ、「利用者が満足できる施設として運営に務めたい」とあいさつ。代表者によるテープカットで竣工を祝福した。

 地元を代表して朝山毅市長は「空港施設は利便性提供とともに利用者の安全・安心を確保することが重要」と述べ、2年後を目指す世界自然遺産登録にも触れ、「関係機関と連携して、奄美の入り口となる施設運営に取り組んでいく」と語った。