初の町民ミュージカル上演

初の町民ミュージカル上演

幅広い年齢層の町民が参加し盛況となったミュージカル「ユイツナグ」

瀬戸内町 幅広い町民の絆つくる

 瀬戸内町教育委員会社会教育課は15日、同町古仁屋のきゅら島交流館大ホールで初の町民ミュージカル「ユイツナグ~きゅら島の心を未来へ~」を上演した。2回公演ともほぼ満席状態。練習の成果が余すことなく発揮された舞台に、客席から大きな拍手が送られた。

 公演は今年2月に新しくできた同館でミュージカルができないかと企画が立ち上がり、3月に体験説明会、4月15日から練習を開始。ミュージカルの公民館講座に加計呂麻島や請島を含む同町の5~73歳の町民が、ミュージカルの指導経験がある同町地域おこし協力隊の長紘子さんをリーダーとして練習に取り組んで来てこの日の上演を迎えた。

 ぎっしり埋まった客席を前に、長さんがあいさつ。「初顔のメンバーも多い。町民ミュージカルは絆をつくる目的。出演するキャストはプロでなく、ご近所さんなので温かい気持ちで見守ってほしい」と話した。

 ストーリーは同町を思わせる海に囲まれた世界で、東西南北の島がそれぞれ祭りを行い文化や伝統を「カナ」と呼ばれる存在に捧げ、「恵み」を得て豊かに暮らしていた。そこに外の世界から「カネ」が入って来て「恵み」を「カネ」に換えることで、それぞれの島の人が少なくなり文化や伝統を捧げる祭りができなくなってしまい困ってしまうという展開。

 ミュージカルは、方言のセリフや島唄を原曲とする劇中曲を交えて物語が進行。観客は顔見知りの登場する場面などで舞台にくぎ付け。最後はキャスト全員で合唱してフィナーレとなり、キャストが舞台から会場に下りて客席を囲むようにパフォーマンスした。

 ミュージカルを観賞した古仁屋中2年の土岐直也君(14)は、「同級生2人が出演するので見に来た。しっかりと舞台で歌と踊りを披露していたので感心した。次に町民ミュージカルの募集がある時は、やってみたい」と話した。

 無事に公演を終えた長さんは「キャストは練習の成果を十二分に発揮してくれた。また参加して良かったとの感想も聞けた。作品を通して伝えたかったことが、アンケートなどから伝わっていたことが分かり良かった」と語った。

 ミュージカルを見られなかった人も多く、同町は8月12日に再演することを決定。アンケートなどからの反省点を修正し、上演するという。