「平屋敷」古民家をギャラリーにあった写真展=15日、伊仙町阿権
【徳之島】伊仙町地域おこし協力隊の加川京さん(29)=町未来創生課勤務=が企画した写真展『阿権×平家×築100年×写真展』が14、15日、同町阿権の古民家、通称「平屋敷」(故・平欽治氏邸)であった。平家が保存していた1926(大正14)年から55(昭和30)年代にかけた写真計50点を接写・修正したパネルやスライドで紹介した。
町民が保管している古い写真の調査活動の一環。町役場が保管する記録写真の日時・場所・人物特定など手掛かりも求め今年3月、加川さんの企画で初開催した写真展(同町ほーらい館)に次ぐもの。
同町阿権の平家一族は薩摩藩時代の郷士で、平欽治氏(09年逝去)の曽祖父の平福鼎(ふくてい)氏は伊仙村ほか7カ村の3代戸長を担当し、福鼎氏の孫・平福次郎氏も伊仙村の15代村長など要職を務めている。
写真展では、約93年前の福鼎氏や息子・常清氏(福次郎氏の父)夫婦ら家族の肖像、犬田布小奉安殿の落成式(37年)や昭和初期ごろの鹿浦集落の風景、阿権浜と思われる闘牛大会(年月日不明)などを展示。築100年前後の重厚な木造古民家にマッチング。2日間で延べ約4百人が鑑賞。昔を懐かしんだり、古いモノクロ写真の中に新鮮な息吹を感じ取るなど、さまざまな視点で楽しんでいた。
写真展と併せて、屋敷内にはフリーマーケットなども出店、にぎやかに交流の場ともなった。欽治氏のいとこの平陽子さん(68)は「地域おこしに役立てばと思う。古い家を掃除して写真を見せることで、これだれ多くの人が来てくれることに驚いた。平家一族の本家でもあり、先祖孝行ができたのかも」と目を細めていた。
同古民家は、「伝統的・伝説的な建築と集落と文化の活用」を進めている法人が「カフェ」への活用案も検討中という。