知名町白百合大学

知名町白百合大学

講話した国立国語研究所の横山晶子さん=知名町=

「言語の継承は可能」
国立国語研究所の横山さん講演

 【沖永良部】知名町公民館講座「白百合大学」7月教室が19日、同町中央公民館であった。国立国語研究所の横山晶子さんが「しまむにを次の世代に伝えるために」と題して講話。方言の将来について横山さんは「地域の人が望めば言語の継承は可能。その方法を探していきたい」と語った。

 講師の横山さんは、8年前から沖永良部方言の調査研究を行い、一橋大学大学院で方言をテーマに博士号を取得した。

 この日は、地域住民ら約30人が参加。講座では、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の指標を使って方言の危機度を測った。質問は、▽話す人の数▽使う世代▽使う場面▽インターネットやメールでの使用―など九つ。

 参加者からは「50代以上の人は方言を使えるかも。30代以下の人は多分使えない」「島を出た子ども達は使えるかわからない」などの意見が出た。

 言語の継承について横山さんは「話す人がいなくなっても記録が残っていれば、言葉を伝えていくことができる」と述べ、言語の記録に必要なものとして①文法の記述②自然な会話の記録③辞書―の3点を挙げた。

 横山さんと一緒に方言の保全活動をしている松村雪枝さん(同町在住)は「私の住む集落に残っている伝統芸能は方言の結びつきが強く、言葉を守ってこそ芸能の保存になる。方言は先祖とつながる大切な宝。何とかして島の言葉を残したい」と話した。