招待客を接客する奄美高校の生徒たち
奄美市名瀬の奄美高校(堀之内尚郎校長、509人)は24日、生徒がメニューの考案や調理、接客などを手掛ける「第2回奄美高校レストラン THE・NEXT・STEP~結~」を同校で開いた。生徒らはそろいの制服や手作りのタイで身だしなみを整え、開店と同時に笑顔で接客。来店客は、島の食材を生かした生徒考案の本格的なフランス料理コースに舌鼓を打った。
レストランは、独立行政法人工業所有権情報・研修館の助成事業を活用し実施。奄美の観光客誘致やPRなどを目的に、家政、機械電気、商業、情報、衛生看護の5学科・3年生を中心に4月から準備を始めた。
メニューは、国内外でフレンチレストランを経営する黒岩功オーナーシェフら、パリ薩摩黎明館プロジェクトメンバーの4人が監修し指導。店舗の設えや販促活動なども地元企業の協力を得て、いずれも生徒が運営した。
この日は、旅客船「ぱしふぃっくびいなす」の来島客など島内外から約50人を招待し、「いらっしゃいませ」と顔をそろえてお出迎え。生徒は客を席に誘導し、食事の進み具合を見ながら、料理を出したり皿を下げたり。時には「味はいかがですか」などと話しかけながら、お客客さま目線でサービスを提供。
メニューは、島豚のリエットやシブリ(トウガン9やアオサの和風スープ、島ラッキョウのマリネなど、地域の食材をふんだんに使用したコース全6品を堪能。客からは「味や歯ごたえのバランスがいい」「味わったことのない新しい味覚」「盛り付けも美しい」など好評の声が相次いだ。
友人と熊本県から来たという古庄くみ子さん(70)は「トビンニャを初めて食べたが印象的だった。体にやさしい食事で、いい時間が過ごせた」と満足顔。統括リーダーを務めた商業科3年・正深那海さんは「反省点はあるが大きくは成功といえる。今回の経験は社会に出ても必ず生かすことができる。地方創生のリーダーをみんなが目指してほしい」と総括した。