「真剣に検討する」

石井啓一国交相に要望書を渡す伊集院幼奄美群島市町村長会長ら=千代田区霞が関

石井国交相 奄振法延長・拡充要望で

 【東京】奄美群島市町村長会(会長・伊集院幼大和村長)と同市町村議会議長会(会長・前田芳作天城町議会議長)は26日、8月末の2019年度予算概算要求を前に、奄美群島振興開発の推進に関する要望活動を中央関係省庁に行った。18年度末で期限切れとなる奄振法の延長・拡充について石井啓一国土交通相は「真剣に検討する」と理解を示した。

 4班に分かれて実施。自民党奄振特別委員会の尾辻秀久、金子万寿夫両議員への要望説明も行われた。各省庁への要望事項は、①奄美群島振興開発特別措置法の延長・拡充②奄美群島の自立的発展に向けた振興開発の推進③世界自然遺産登録及びその先を見据えた取り組み④包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定への適切な対応⑤重要病害虫ミカンコミバエ種群防除へ向けての適切な対応⑥独立行政法人奄美群島振興開発基金の非課税措置の延長⑦奄美群島の条件不利性解消に向けた取り組みーを挙げている。

 世界自然遺産登録の再提出要望活動を行った中川雅治環境省大臣室には、「縄文遺跡群世界遺産候補」となった北海道、青森のほか、沖縄などの在京マスコミ各社が多く訪れ、注目を集めていることがわかった。

 要望活動を終えた伊集院会長は世界自然遺産登録について「大臣と直接話せて心強く思っている。国にだけ任せるのではなく、情報共有して国や県と連携して2月に向けて協力して取り組む」と語り、青森の記者から文化庁との戦いといわれているがと質問され「ライバルが多いが、文化・自然の良さは評価されている」とした。奄振法については「法を延長して制度の拡充を行い、さらにステップアップしたい。自立できることが制度の目的。地元がしっかり取り組んでいきたい」と語った。

 また前田会長は「予算獲得や延長も確実にしたい。前向きで、期待できると感じた」とした。