奄美大島を離陸するスカイマークの鹿児島行き初便(382便)
スカイマーク㈱(本社・東京都、市江正彦代表取締役社長)は1日、鹿児島―奄美大島線、名古屋(中部)―鹿児島線の2路線を就航させた。鹿児島―奄美大島間の初便の搭乗率は94・4%、上り下り便合わせてほぼ満席の334人が利用し、滑り出しは順調。同社によると夏季シーズンの予約も順調に伸びており、年間搭乗率75%を目指す。
中部圏とのアクセスを強化し、定時運航を軸に、同社は観光とビジネス両面での利用促進を図る方針。使用機材はボーイング737―800型機(177席)で両路線とも1日2往復運航。なお奄美大島にとって同社就航は、2010年9・10月、11年夏ダイヤでの季節定期便以来、約7年ぶり。奄美の観光業界は関東、関西に次ぐ、中部都市圏からの観光需要に期待感を示す。
強みは大手の既存路線に比べ、普通料金は約6割という運賃設定。国内11地域を結ぶ路線を展開しており、鹿児島空港からは2路線(羽田、神戸)が就航。
運賃割引があり、「いま得」(席数限定、予約変更不可)と「たす得」(同、予約変更可)など。「たす得」の場合、鹿児島―奄美大島線4600円~、名古屋―鹿児島線6600円~と低価格帯を実現した。
同社は同日、各空港で就航記念セレモニーを開催し、行政や観光団体関係者が新規路線の開設を歓迎。到着便と出発便の搭乗客にゲート前で記念品を手渡したほか、佐山展生代表取締役会長は名古屋から奄美まで同乗し、機内でのPRに努めた。
奄美市笠利町の奄美空港では、県大島支庁、奄美大島島内の自治体、観光団体の関係者が式典に出席。来島した矢口秀雄専務取締役は民事再生後、奄美での再就航に触れ、「新生スカイマークとして乗客の安心・安全を第一に、奄美と鹿児島の経済活性化の架け橋として末永く貢献したい」と抱負。継続的運航を強調し、観光の掘り起しなど地域定着に向け、あらためて意欲を見せた。
名古屋発の初便に搭乗し、地元に戻った朝山毅・奄美市長は「中部の郷友会をはじめ多くの関係者が待ち望んでいた路線。人口拡大への寄与に期待したい」と述べ、就航を喜んだ。
割引キャンペーンの実施もあり、就航初日は夏休みを利用して、多くの観光客が奄美を訪れた。名古屋の会社員・山田章貴さん(36)は家族旅行目的で初来島。「奄美は以前から訪れてみたかった。滞在中は海やマングローブカヌーなどを楽しみたい」と話した。
また同社路線で大阪に向かうという、同市名瀬の病院職員・大海嘉亮=よしあき=さん(37)。「就航発表後すぐにチケットを手配。家族旅行(5人)なので低料金はありがたい」と語った。
スカイマーク 1996年設立。現在、国内21路線(27機)を展開。2017年度の定時運航率は国内トップ。