奄美焦点に白熱議論

奄美焦点に白熱議論

生徒のプレゼンテーションに聴き入るオックスフォード大学院生たち(奥)

大高生とオックスフォード大学院生

奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長、758人)は4日、同校生徒が英国オックスフォード大学院生を迎えて活動発表や意見交換を行う「オックスフォード×奄美~奄美市の課題・可能性を探る~」を同校和親館多目的ホールで行った。大高生2人が奄美に焦点を当てた課題・探究活動のプレゼンテーションを行い、大学院生ら交えてその対策や改善点など、白熱した議論を交わした。

同事業は、奄美市魅力ある学校づくり支援事業の一環で、奄美の未来を担う高校生が、オックスフォード大学院生との交流を通じて、市の課題や可能性、奄美の在り方を一緒に考えるもの。日本、中国、南アフリカ出身の同大学院生ら7人が来島し、国や制度を超えて考察を巡らせた。

課題・探究活動のプレゼンテーションでは、2年・森悠里さんと3年・中山莉李さんの2人が登壇。流暢=りゅうちょう=な英語で、それぞれの活動内容を大学院生たちにぶつけた。

森さんは、災害への心構えに対する新たな構想「減災三つの提案」をテーマにプレゼン。減災の考えに、環境整備や経済効果、文化継承などを結び付け提案した。大学院生からは「実行には重要な役割の人を巻き込む必要がある。どう呼び込むか?」「減災は意識づけが大切。意思を持ち続けることで、いざという時の行動は変わる。そこを含めて対策を」など意見や助言を交わした。

続く中山さんは「体感的なやすらぎの可能性」をテーマに、フラダンスや茶道による体内環境活性化や改善効果を、科学的見地を交えて訴求。国連の仕事に携わる大学院生からは「今世界は国土の開発より人の幸せ度に注目している。発想はおもしろい」「男性の方が自殺率は高い。男性にも参加を促す必要があるのでは」とアドバイスを送るなど、闊達=かったつ=な議論を行った。

森さんは「素晴らしい体験ができた。今後も長期的な視点を持ちつつ、引き続き課題に取り組みたい」と喜び、中山さんは「人によっていろいろな立場があると感じた。緊張したけどみんなフレンドリーで楽しかった」と笑顔を見せた。
 この後は、大学院生らによる研究発表や参加生徒を交えてグループワークを実施。お互いの類似点や相違点を理解しながら、交流を深め合った。