観光ピークに台風接近

土盛海岸では青空が広がったものの波が高く、遊泳禁止の看板が立てられた

マリンレジャー業界「痛手」
青空なのに遊泳禁止看板

 月遅れ盆(13~15日)に合わせ奄美群島内の海辺には観光客が増えている。観光シーズンのピークが始まった11日、青空が見られるところもあったものの、台風接近による波の高まりによりマリンレジャーを行っている事業者からは「痛手」との声も聞かれた。

 奄美市笠利町でマリンレジャーを手広く展開する店舗の担当者によると、この日の午前はメニューを限定し営業。「盆期間に台風が来るのは珍しいのでは。今年は太平洋から東シナ海に抜けるコースの台風が多く、過ぎてからの影響も長い」と担当者はため息をこぼす。12日は天候を確認し、営業の有無を決めるという。

 監視員も兼ねる同担当者はリーフの内側の波の少ない場所で、遊泳する観光客らを遠目に、「特に台風接近時は晴れていても海に影響はある。人がいないところでの遊泳は避け、監視員がいるところで、当日の状況を聞いてから泳いでほしい」と語った。

 龍郷町のダイビングショップもボートで沖合に出るメニューは全日中止。ビーチから海に入りダイビングするメニューも同日午後から中止した。同店担当者は「11、12日で10組以上がキャンセルとなった。7月から週末にばかり台風が来るので、売上的にはかなり痛い」と話した。

 同市笠利町の土盛海岸は波の高まりにより、朝から遊泳禁止に。昼間の干潮に合わせた約2時間半を除き、ほとんどの時間帯海水浴はできなかった。青空が広がる中で泳げない状況に、神奈川県から観光で訪れていた男性は「本当は泳ぎたかったが自然相手のことなので仕方ない」と残念そうな表情を見せた。

 同海岸の監視員は「安全策を取り遊泳禁止としたが、泳ぎたがる観光客は多い。写真を撮るなど泳がない方法で楽しむよう促している」と語った。