奄美空港で消火救難訓練

航空機事故を想定し負傷者を運び出す消防団員たち

航空機事故想定し連携強化

 奄美空港管理事務所と大島地区消防組合は10日、航空機事故などを想定した「2018年度奄美空港消火救難訓練」を奄美市笠利町の同空港内で行った。この日は、地元消防や警察、民間企業や医療機関を含む180人が参加。事故発生から事態収束までの一連の流れを訓練し、関連機関相互の連携強化を図った。

 訓練では、乗客・乗員125人を乗せた旅客機の着陸後に白煙を確認、漏れ出たオイルが引火し胴体部まで炎上、機内には煙が充満し多数の負傷者が出たと想定。消防や警察車両など25台が待機し、通報から、消火、救出、救護処置など、各機関の連携確認に重点を置き、一連の流れを実践した。

 訓練では、各機関に事故発生の一報が入ると、出動したポンプ車などが現場に急行し、一斉に消火活動を開始。到着した救助隊員らは、連絡を取りながら状況把握に努め、負傷者を誘導・搬出した。

 運び出された負傷者には負傷の程度が示され、治療の優先順位を決めるトリアージを実施。応急救護や搬送先を振り分けるなど、実際に近い対応状況が再現された。

 訓練後、同笠利消防分署・元見糸和署長は「訓練の成果もあり、一連の流れは年々スムーズに対応できている。奄美空港は開港以降、大きな事故はないが、いざという時に備えてしっかりとした救助態勢を整えてほしい」と総括。県大島支庁建設課・森田啓嗣管理係長は「近年、ますます利便性も高まり、観光客の増加が見込まれる。日頃の緊張感ある体制が大切。個々に検討課題を見直し、安全利用いただけるよう取り組んでほしい」と激励した。