県内最低は瀬戸内町

人口普及率では80・8%と高い奄美市の下水道処理施設

汚水処理施設普及率
和泊町、99・0%の高さ

 国土交通、農林水産、環境の3省は、2017年度末の汚水処理施設の人口普及率をまとめ発表した。都道府県別で鹿児島県は80・1%となり、16年度末比1・1ポイント増で初めて80%台を突破した。鹿県内市町村別の普及率では瀬戸内町の36・9%が最低だった。

 3省では、それぞれが所管する下水道、農業集落排水施設等(漁業集落排水施設、林業集落排水施設、簡易排水施設を含む)、浄化槽等(コミュニティ・プラントを含む)の汚水処理施設の普及状況を合同で調査し、人口で表した統一的な指標である汚水処理人口普及率を毎年公表している。

 全国平均は0・5ポイント増の90・9%で、下水道を利用できる人が1億31万人と初めて1億人を超えた。普及率でみた場合、下水道78・8%、農業集落排水施設等2・7%、浄化槽9・2%、コミュニティ・プラント0・2%。下水道の普及率は8割近くに及び、汚水処理施設の大半を占めている。

 都道府県別の普及状況は、上位3位は東京都(99・8%)、兵庫県(98・8%)、滋賀県(98・7%)の順。下位3位は徳島県(60・4%)、和歌山県(63・6%)、高知県(72・5%)の順。全国最低は徳島県。

 鹿児島県の汚水処理人口は131万7千人。普及率は39位(全国順位)。施設別の人口普及率は、下水道が42・0%(16年度末比0・4ポイント増)となり、全国平均の78・8%を大きく下回っている。合併処理浄化槽は35・3%(同0・8ポイント増)、農業集落排水施設等2・5%(同0・1ポイント減)だった。

 普及率を県内市町村別にみると、三島村が100%で、和泊町99・0%、十島村95・9%と続く。5町が50%を下回っており、最低が瀬戸内町の36・9%。和泊町、瀬戸内町以外の奄美の市町村の普及率は、奄美市93・6%、大和村69・3%、宇検村82・2%、龍郷町70・7%、喜界町71・3%、徳之島町62・5%、天城町44・9%、伊仙町39・4%、知名町94・0%、与論町53・2%。瀬戸内町以外では、天城町と伊仙町が50%以下と普及率が低い。

 なお、瀬戸内町では生活環境計画で「下水道・生活排水処理対策の推進」を打ち出している。生活排水は、大部分が未処理のまま公共用水域に排出され、「河川および海域等の水質汚濁、生活環境の悪化が懸念される」として、農業集落排水事業(集合処理=阿木名処理区)以外は合併処理浄化槽整備事業で整備。下水道整備区域としていた瀬戸内地区(古仁屋処理区)も見直し、合併処理浄化槽による生活排水処理を推進している。