赤色セロハンを貼ったライトを持って浜辺の生物を探す参加者たち
産卵数昨年の約半数か
大和村国直 浜辺でオカヤドカリ観察も
奄美海洋生物研究会(興克樹会長)とNPO法人TAMASU(中村修代表)は18日夜、大和村国直の国直公民館と国直海岸で第29回「ウミガメミーティング」(くんにょりのかめさばくり2018)を開いた。親子連れなど100人以上が参加し、今年のウミガメ調査の報告を聞いたほか、浜辺で生物観察を楽しんだ。
同協会は12年度からウミガメの産卵環境保全を目的に、市町村や関係機関、地域住民らとウミガメ調査を実施。群島内各地で同イベントを開催し、調査報告会や産卵やふ化直後の子ガメ観察会などを行っている。
同会の調査によると、昨年の奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島の産卵数合計は632頭。今年の産卵数に関して興会長は「まだ集計していないが、昨年の半数ぐらい。ウミガメは毎年卵を産むわけではないので、増減を繰り返す」などと解説した。
このほか、中村代表が国直集落で行っているウミガメ保護の取り組みなどを紹介。中村代表は「赤色街灯に対して、最初は住民からの反対もあったが、今は集落住民の理解を得られている」と語った。
報告会終了後は赤色セロハンを貼ったライトを持ってふ化後のウミガメを探すために国直海岸へ。ウミガメを見ることはできなかったものの、オカヤドカリが多く、参加者は歓声を上げながら、観察した。
朝日小6年の徳武煌生くん(12)は「生まれる前から色んな生き物に襲われて、海に帰れない赤ちゃんがいることを学び、かわいそうだと思った。機会があればまた参加したい」と話した。