各地で旧盆入り

各地で旧盆入り

提灯を携え墓参し、先祖を迎える人が多く見られた(23日午前9時ごろ、奄美市永田墓地)

奄美市永田墓地 台風後に無事迎え

 旧暦の7月13日にあたる23日は、旧盆の迎えの日。前日までは台風19号接近・通過により大荒れの天気となった奄美地方だったが、この日は晴れ間が見える時間もあり、各地で墓参客の姿が見られた。毎年4千人以上が訪れるという奄美市名瀬の永田墓地には家族連れなどが、提灯や花を携え、祖先を迎え入れた。
 お盆は「早く迎え入れ、ゆっくりと帰ってもらう」ことが古くからの風習。同墓地にも早朝から迎えのために市民が続々と参集した。用意した花などを供え、墓参を済ませた後には提灯に火をともし、祖先を各家に迎え入れた。

 台風の影響で、墓地には枯れ葉などが舞い込み、清掃に苦慮する人々の姿も。同墓地付近で生花店を営む女性は「毎年10種ほどの花を用意するが、今年はボウズバナ(センニチコウ)など4種だけで、量も少ない。台風でフェリーが来ないので、仕入れに苦労した」とため息をこぼした。

 龍郷町から墓参した瀬戸未幸さん(34)は「毎年お盆は張り切って準備をするが、今年は台風が近づいて準備ができなかったので、簡略化して行おうと思う。ご先祖さまたちに快適に過ごしてもらえれば」と話した。

 市は同日、墓参者の安全を確保するため、同墓地周辺で交通規制を実施。旧盆の送りとなる25日も車両交通規制を実施予定。午前9時から午後7時までを予定しており、市は公共交通機関や周辺の民間駐車場の利用などを呼び掛けている。