教育的意義深める

教育的意義深める

奄美自然観察の森では、奄美の固有種を中心に観察を行った

大島地区教職員 奄美の自然・文化体験講座

 学校の授業づくりなどに生かしてもらおうと、教職員らが奄美の自然や文化に直接触れ合い学ぶ2018年度教職員講座「奄美の自然・文化体験講座」(県立奄美少年自然の家主催)が23日、奄美市名瀬の同施設などで行われた。大島地区の小中高校、特別支援学校などの教職員34人が参加し、創作活動や野外体験を通して、子どもたちに伝えたい奄美の伝統や自然などについて学び、教育的意義を深めた。

 同講座は、教職員が児童生徒への指導に生かそうと、毎年テーマを変えながら実施。今年は「フクギ染体験」を同施設で、「奄美の固有種観察」を龍郷町の奄美自然観察の森で移動を重ね実施した。

 フクギ染演習では、同施設・南司研修士が講師を務め、布を染めるための原液作りから指導。教職員らはフクギから直接枝を採集し、細かく刻んだ葉や枝を煮だして、染液を作製した。

 南研修士は「葉に切り込みを入れることでより成分が染み出る」などアドバイス。教職員らは完成した液でハンカチを染ながら、植物が織りなす個性的な色や風合いを楽しんだ。

 同観察の森・川畑力自然観察指導員がナビゲートした固有種観察では、植物や生き物の住処や習性など説明を受けながら森を散策。アマミイシカワガエルの容姿やオオトラツグミの巣を観察し、展望台では海の景色を一望しながら、自然の偉大さを再認識した。

 川畑指導員は所々足を止めながら「ルリカケスがギャアギャア鳴くのは機嫌が悪い時。普段は他の鳥の鳴き声を真似る」など、その生態や自然の摂理を解説。教職員らは講師の言葉にメモを走らせ熱心に質問するなど、奄美の自然や文化の奥深さを掘り下げた。

 赤木名中・室田都美教諭は「(森を巡って)人と自然の共存するためには、マナーが必要だと改めて感じた。次に残していくために学んだことを生かしたい」と笑顔で話した。