鹿児島大学学生たちは実習のほか、文化体験として「八月踊り」なども楽しんだ=知根小学校=
学校教員などを目指す鹿児島大学教育学部の学生が4~7日の日程で奄美大島入りし、「奄美大島における体験学習(講義・学校環境観察実習)」を行っている。学生たちは離島教育の実際を学ぼうと、小規模校の授業や学校環境を見学。学生たちは、児童生徒や地域の関わりを通して、離島教育への心構えや、将来の〝先生〟としての志を高めた。
鹿児島県内では、都市部のほか離島にも多くの学校があり、その赴任に不安を持つ学生も多い。一方、一度離島を訪れ地域を体験した学生は、不安が軽減される傾向にあることから、同学部では1997年から同講義を開講している。
また2009年からは、実習内容を小規模校に焦点を移し、対象を1年生から2年生に変更。22回目となる今年は、2年生を中心に希望者37人が実習に臨んだ。
4日に航路で奄美大島入りした学生たちは、県立奄美少年自然の家で研修し、5日の日は、3班に分かれ、奄美市内の小規模校3校を訪問。奄美市名瀬の知根小学校(松元浩幸校長、11人)では、9人の学生が文化を体験し、複式授業を見学した。
文化体験では、知名瀬と根瀬部の二町内会が同校を訪れ「八月踊り」を指導。校庭で輪になり見様見真似で踊った学生たちは、児童交流を深め、地域の温かさにも触れ合った。
二学年の授業を同時に受け持つ複式授業の実習では、ほのぼのとした児童とは対照的に、教室の対極にある二つの黒板を使ってハードに授業。学生たちは、分断された一つの教室のなか、児童が他学年と互いに支え、刺激し合いながら学び合っていることを確認した。
徳之島の亀津小学校で3年間過ごしたという、鹿児島市在住の2年・米澤佳帆さんは「朝の集落放送が懐かった。離島に赴任し、地域と関わりたいという思いも芽生えた」と話し、複式授業については「児童の性格を把握した上で効率的に進行している。個性に見合った指導法が見て取れた」と新たな気づきに喜んだ。
なお、6日は、瀬戸内町の小規模校3校を訪問し、授業見学、交流活動などを行う。