希少動植物を守ろう

希少野生動植物を守ろう。関係機関・団体合同であった盗採・盗掘パトロール(出発式)=7日夕、徳之島町

 

盗採・採掘防止で合同パト
徳之島自然保護協

 【徳之島】徳之島地区自然保護協議会(政武文会長・事務局徳之島町)など関係機関・団体合同の「希少野生動植物盗採・盗掘防止パトロール」が7日夜、関係機関・団体の約20人が参加して3町全域であった。奄美群島国立公園指定地域の林道などホットスポット14地域・路線を巡回して不審車両や人物などを警戒。盗採・盗掘など違法行為の抑止効果に期待した。

 毎年この時期になると、徳之島・奄美大島固有種のアマミマルバネクワガタ(国レッドリストⅡ類)=奄美大島・徳之島3町希少種保護条例指定種=などを狙った商業目的の違法採取圧の高まりが懸念されている。また、今年2月には環境省委託のパトロール員(NPO関係者)が、徳之島町「剥(はげ)岳林道」(群島国立公園特別保護地区内)に仕掛けられていた昆虫トラップ(わな)を発見。徳之島署が自然公園法違反容疑で設置者(島外男性)を割り出して厳重注意したケースも。

 希少動植物の盗採・盗掘事案の監視活動は、関係機関や同島自然保護協議会会員らの自主活動などさまざまな形で常時実施。合同開催は「より高い抑止力のアピール」もねらって初めて計画。同島地区自然保護協議会、環境省徳之島自然保護官事務所、林野庁鹿児島森林管理署徳之島森林事務所、徳之島署、徳之島3町役場の関係者ら約20人が参加した。

 午後6時から徳之島町花徳の東天城中前で出発式。徳之島自然保護協の政会長(65)は「自然保護協も通年活動はしているが、この時期に昆虫などの盗採事案が多発するため監視が必要。世界自然遺産は再チャレンジとなったが、自然遺産登録の成否に関わらず、この島の自然環境を未来につないでいかなければならない」と協力を呼び掛けた。

 3町別の計5班に分かれて深夜まで巡回。各重要エリア近隣への駐車車両には「奄美大島・徳之島の宝―みんなで守ろう!希少な野生動植物」の啓発チラシも添え、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、希少野生動植物の保護に関する条例などの厳守も呼びかけた。