沖縄県天然記念物フタオチョウ捕獲

理科コンクールで標本出展のためにチョウを採集し、このほど「フタオチョウ」を捕獲した碩くん


沖縄県の県指定天然記念物のフタオチョウ

奄美市碩くん(小宿小)標本に
DNA鑑定依頼「非常に珍しい」

 沖縄県の県指定天然記念物のチョウ・フタオチョウがこのほど、奄美市名瀬の山地で捕獲された。奄美昆虫同好会(冨川賢一郎会長)関係者も「珍しいこと」と驚いている。母親と協力してとったという、市立小宿小学校1年の碩佑眞くん(7)は「見たことない飛び方をしていて、何だろうと思ったが、(フタオチョウ)と分かってうれしかった」と笑顔を見せた。

 フタオチョウは、タテハチョウ(立羽蝶)科に属するチョウの一種で、沖縄県全域に生息し、同県の天然記念物にも指定されている。

 碩くんは先月6日、理科作品コンクールへの標本出展を目指し取り組んでいたチョウ採集のために、同市名瀬小宿の里集落の山すそを訪れた。

 2人で周辺を探していると、上空高くを飛ぶチョウを確認。珍しい飛び方にしばらく様子を見ていたが、高度を徐々に下げてきたところを、ジャンプして捕獲。帰宅後に図鑑で調べ、フタオチョウであることが分かったという。

 「だいたいの種類を覚えているようだが、見た事ないチョウをとり、種類も分かり本当に喜んでいた」(綾乃さん)。今回捕獲のチョウは、フタオチョウと差異がある可能性も完全には否定できず、東京大学総合研究博物館に脚部を送り、DNA鑑定を依頼しているという。

 同会事務局の鮫島真一さん(小宿小教諭)は「昨年にも市内別地で見つかっており、今回で2匹目。生息区域を広げた可能性もある。もし、沖縄のものと違うとなればすごいことになるが、どちらにしても非常に珍しい」と話した。