鹿大生が地域ブランド戦略提案

鹿大生が地域ブランド戦略提案

知名町の活性化策を提案する学生(右端)

知名町の未来を切り開く
航空券とアクティビティ一つに

 【沖永良部】鹿児島大学農学部の学生らによる知名町の未来を切り開く地域ブランド戦略の提案会が10日、同町中央公民館であった。特産品の「クワ茶」においては新パッケージ案を紹介し、観光面では航空券と体験型アクティビティが一つの商品となった「沖永LOVEフリーパス」を提案した。

 県の「共生・協働の村づくり活性化事業」の一環。4~6月にかけて町内全世帯に行ったアンケート調査や現地を訪れて認定農業者らへの聞き取り調査などの結果をもとに戦略を立てた。

 発表会は2部構成で、町の暮らしと産業の実態について報告した李哉?准教授は「島の産業が活性化して若い人が働き、稼いだお金でサービス産業に使う循環がないと、いつかこの島は医療福祉のサービスしかない島になってしまう」と指摘。さらに「農業と連携した観光地にするならば、島固有の食材・食文化をビジネスにして雇用を増やさないといけない」と述べた。

 地域活性に向けた課題と対策について発表した学生3人は、地域ブランドの開発・マーケティングの重要性を説いた上で、島の体験型アクティビティ(ダイビング、ケイビング、農業体験など)と航空券が一つの商品となった「沖永LOVEフリーパス」を提案した。

 クワ茶に関しては「消費者からの知名度、人気ともに低い」と分析。全国各地で販売されているクワ茶商品のパッケージを比較し、白色を基調にしたシンプルなデザインで「沖永良部産」「純国産」と明記されたパッケージ案を紹介した。

 このほか、沖永良部の知名度アップのためにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の積極的な利用も呼び掛けた。

 李准教授は「農業に偏った産業構造は、今後いろいろな問題が出てくる。沖永良部には
島外に誇れる資源がある。それを外に発信して交流人口を増やすことで、町の課題解決に向けた知恵が生まれる」と話した。

 今井力夫町長は「沖永良部がどうあるべきか、知名町をどう発展させていくか、官・学・産で連携してよいアイデアを出していきたい」と話した。