駒沢大学生ら豊年祭調査

駒沢大学生ら豊年祭調査

駒澤大学の学生たちが振り出しや相撲など体験して豊年祭の調査を実施

 

東京で得られない経験記録
冊子まとめ還元へ
宇検村生勝

 

 離島の地域生態を研究テーマとする駒澤大学地理学科の須山聡教授は16日、宇検村生勝で豊年祭の調査を行った。同村で実施している集落点検の一環で、学生が実際に豊年祭に参加し相撲や余興など体験した。東京では得られない経験を記録し、大学に持ち帰り調査のまとめを冊子にして同村に還元する予定。

 須山教授は毎年のように、教授のゼミを受講する学生を連れて奄美大島などでフィールドワークすることから、学生たちには「島の先生」と認識されているという。生勝は6月に同学3年生12人が調査に入っているが、豊年祭に参加するのは初めてで他集落を合わせて同村では3回目になるという。

 調査は学生が豊年祭行事に参与活動して記録することで、限界集落や少子高齢化などの地域の課題の解決につながる方策を考え提案してもらう目的。今回の調査に大学2年生の男女合わせて20人が、14日から5日間(予備日含む)の日程で参加した。

 学生たちは、トネヤから始められる振り出しや土俵開き、相撲など一連の流れを記録。男子学生は慣れないまわしを締めて3チームが相撲に参戦し、1チームが3位に入る健闘を見せた。女子学生は集落の法被=はっぴ=を着けて婦人団と振り出しを行い、敬老者や来賓などの接待や余興を体験した。

 神奈川県出身の杉本駿さん(20)は豊年祭について、「東京では体験できない経験できた。まわしも初めて。相撲は痛みよりも楽しさが勝った。調査結果は大学に帰りまとめる。宇検村に何らかの形で恩返ししたい」と語った。

 文岡学区長(69)は学生の参加を喜び、「今年の豊年祭は何年かぶりの盛り上がり。相撲や振り出しなど充実し、楽しんでもらえたのでないか。(学生に頼らず)今の人数でも伝統行事の豊年祭を継続して行きたい」と話した。