避難路を利用する東が丘団地の住民の家族
台風24号による土砂崩れで、現在全面通行止めとなっている名瀬小浜町の市道小浜28号線で、1日から復旧作業が始まった。現場では倒れた樹木や付近の枝木を伐採。今後は調査を経て、土砂の除去作業に入る見通し。同市は「まずは片側通行の早期実現に努めたい」としているが、開通時期はいまのところ未定となっている。
30日夕方、同市道の斜面で高さ約40㍍、幅約40㍍が崩落。高台にある東が丘団地(125世帯205人)一帯までの市道が寸断したが、高台までは2年前に整備した避難路での徒歩が可能となっており、孤立は避けられた。この通行止めを受け、市は緊急的に階段やロープ設置、沿道の草刈りなどを行った。
なお二次災害を警戒して、同市は崩落現場の直下の住民17世帯に対し避難指示を発令。現在、6世帯17人が避難所に避難し、知人宅に移動した世帯も。
同市は30日、同自治会集会所で説明会を開催。自治会住民で65歳以上の高齢者は58人、そのうち独居や見守り対象者は7人。住民代表からは急峻な避難路で介護者の移動を含め、食事や買い物など対応が困難な事情を訴えた。
市担当者は現場調査中で見通しは立っていない状況を説明。「ごみ出しや高齢者の食料確保など住民生活に必要な対応を図る」とし、住民に随時工事進ちょくを伝えていくとした。
また住民の小学生から高校生はこの日、子ども会が中心となって避難路を集団登校。しばらく利用する状況に保護者からはハブ不安や雨天時の通行悪化の懸念が出たほか、年配者からは上り下りに不安の声もあった。
小学校の子どもを持つ女性(40)は「自然災害なのでしょうがないが、安全に通勤・通学できる環境を望みたい」。50代男性は「食料や生活品を購入しても持ち運びには限界がある。頻繁な移動も体力的に厳しい」とそれぞれ話した。