7~9%減収を予想

台風通過後の奄美大島北部のサトウキビ畑

台風24号 奄美大島北部、喜界島キビ被害

 29日から30日にかけて奄美地方に接近した台風24号は、農作物にも被害をもたらした。北部の奄美大島と喜界島の製糖会社は、1日にほ場を調査し、今期産のキビについてそれぞれ7~9%ほどの減収を見込んだ。8月には台風19号が接近し、当初の見込み生産量から減収が予想され、今回さらなる減収見込み。また、台風25号の南西諸島への接近予報もあり、「また追い打ちになりかねない」など相次ぐ被害拡大を懸念する声も上がった。

 奄美市笠利町の富国製糖は、今回の台風接近による減収について、台風19号による減収を見込んだ2万2355㌧から、「約9%の減収」と予想。担当者は「40~50㍍の風が吹いた割には折損の被害はそれほど見られなかった」が、「西側の方で一部潮害の被害があるかもしれない」と話した。

 また、葉っぱの裂傷については「今後再生すると思われる」。これから糖を蓄える登熟期を迎える前に連続した台風接近を受け、「まだ回復できる」とした。

 喜界島の生和糖業では、前回台風の接近後に減収を見越した7万2590㌧から、「7%の減収」を予想。担当者は「前回(台風19号)の風(東からの)と違い、今回は南西からの風で、倒れたキビを起き上がらせる形に。また速度が上がるなどで予想よりは少ない減収率だった」と分析した。

 ただ「通過した後の吹き返しの風、降水量が少なかった」ことなどから、「一部で潮害もありそう」。先月29日に発生した台風25号にも言及し「葉っぱの裂傷も確認されている。また来るとなると追い打ちになりかねない」と台風接近に警戒感を強めている。