倒木被害で休園となっている龍郷町の「奄美自然観察の森」(町職員の許可を得て入園)
台風24号の強い風の影響で森に倒木被害が発生して、エコツアーガイドのガイド業務に一部影響が出ていることが11日までに分かった。関係者は「広葉樹の倒木で、湿っぽい地面に日差しが届くようになり乾燥化して森の環境に変化が出るのでは」と懸念している。
観光客に人気の奄美市名瀬の金作原や、龍郷町長雲の「奄美自然観察の森」などは台風24号の襲来で倒木が多数発生。奄美自然観察の森では、先月30日に園内に多数の倒木被害が確認され、自然散策に危険な状況で現在も休園中となっている。
金作原も多数の倒木で奄美中央林道からのルートが一時通行できない状況に。市から委託された業者が除去作業にあたり、7日午後までには車両規制のゲートを設けた箇所までが通行できるようになった。
奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の喜島浩介会長は、「ナイトツアーで人気の奄美市住用町の三太郎峠や林道スタルマタ線は、まだ樹木や葉っぱが散乱しているが通行は可能で、ガイド業への影響は軽微」と説明。休園となっている「奄美自然観察の森」について、その情報をつかんで予定変更する観光客もいるとした。
台風接近でガイド業中止は痛手だったが、さらに倒木被害が森林環境に悪影響を及ぼさないかを懸念。「広葉樹の枝が折れたり倒れたりして、これまで日が差さなかった部分に日光が届くようになった。乾燥化で湿っぽい環境が好きな植物に影響が出ないか注視する必要があるだろう」と語った。
海に近い森の樹木には一部、塩害で枯れてしまった葉っぱも確認されている。喜島会長は、「塩分を被ってしまった木々は、葉を落として本体を守る。一時的に落葉は増大するが、台風通過後の自然の回復は驚くほど早い」と話した。
喜島会長はエコツアーについて、「台風影響で山に人が入れないことは、自然の保護には良いだろう。島の将来を考えると、保護と利用のバランスを考えて上手に見せる必要がある」と語った。