記事きっかけに見舞金届く

記事きっかけに見舞金届く

見舞金を届けた前田トヨ子さん(右から2人目)と西哲次さんの妹の梨香さん(右端)と弥生さん(右から3人目)、森富隆区長(左端)=和泊町、西さん宅=

東京在住の前田さん「同級生のために」
台風で被災の西さんへ

 【沖永良部】台風24号で家屋が半壊する被害を受けた和泊町の西哲次さん(58)に15日、見舞金が届いた。送り主は、西さんの同級生で東京在住の前田浩利さん(55)。新聞に掲載された記事がきっかけとなった。
 一人暮らしをしている西さんは、手足と言葉に重度の障がいを持つ。先月29日、台風24号の強風で屋根や窓ガラスが損壊する被害を受けたが、弟・綱隆さん(53)の助けで家から避難し、けがはなかった。台風25号の通過後、弟夫婦らが被災した家屋の整理を手伝っている。

 その記事(12日、奄美新聞掲載)を見た同町の前田トヨ子さん(85)が、東京で小児在宅医療に携わる息子の浩利さんに連絡。小学校の同級生だと気付き「お見舞いをしたい」との申し出があった。

 15日、前田さんは同町和泊字の森富隆区長に案内され、西さん宅を訪れた。西さんは同町障がい者就労支援施設「さねん」に通所していて不在、家の片づけを手伝う義理の妹の弥生さん(50)と梨香さん(49)に、浩利さんから届いた見舞金を手渡した。

 前田さんは「これからも兄弟同士または集落の住民が協力し合って哲次さんを支えてほしい」と話した。

 弥生さんと梨香さんは「兄は小学校を卒業後、鹿児島の養護学校に行っていたので、兄のことを覚えていてくれる友達がいて本当にうれしい」と笑顔で語った。