台風被害「きめ細かく対応」

台風24号の被害支援に関して吉川貴盛農水大臣に要望書を手渡す三反園知事=千代田区霞が関で

吉川大臣に要請活動を行った糖業労連・管野中央執行委員長

三反園知事ら 支援要請に農水大臣

 【東京】三反園訓知事は16日、JA種子屋久、JAあまみ、JA県中央会、金子万寿夫衆院議員らとともに「台風24号の襲来による農林水産業被害への支援」について、吉川貴盛農林水産大臣らを訪れ要請活動を行った。また、この日は、奄美・熊毛糖業労働組合連合会(管野淳也中央執行委員長)など、沖縄県と鹿児島県合同の「砂糖制度の堅持及び生産振興等の要請」もあり、17日にでも現地視察を行う予定だった吉川大臣は、サトウキビ被害に関しては「増産基金を募っていきたい」と語り、台風被害に対しても「きめ細かく対策を進めていく」とした。

 三反園知事らは、台風24号による農業関係の被害額は、▽奄美・熊毛(種子島)地域のサトウキビ、露地野菜や家畜などの農畜産物約30億円▽畜舎やビニールハウスなどの農業施設約16億円▽農地や水路等3億7千万円―で、農業被害額の合計は約49億7千万円にのぼると説明。

 また、林業・水産業関係の被害額は、▽林地崩壊や林道災害など約2億3千万円▽漁港施設や養殖クロマグロなど11億円―の被害となっていて、県全体が甚大な被害にあっているとした。

 今後、営農継続に必要な農業施設等の復旧支援や農作物の再生産支援など、被災農業者の経営再建と農林水産業被害の早期復旧が図られるよう要請知。知事は「特に農業施設等の復旧支援を急いで欲しい」と訴えた。

 金子議員も「12月までにハウスなどの植え付けができるように補正予算前に対応してほしい」と要請。奄美から訪れた山口利光JAあまみ組合長も「奄美全ての島の海岸沿いで、サトウキビに甚大な被害が出ていて、ビニールハウス、牛舎などが吹き飛んだ。この農家の厳しい実情を知って欲しいと行動を起こした。サトウキビ増産基金など一日も早く増額して欲しい」と求めた。

 また、奄美・熊毛糖業労組連等も台風24号等が各産地を北上したことによる気象災害で、品質管理が危ぶまれていると強調。管野中央執行委員長は「大きな被害になっている。(要請活動に来たが)要請行動とは別に対応して欲しい」と先に要望。「砂糖制度の堅持及び生産振興等の要請」については六つの重点項目のうち、セーフティネット基金の継続と働き方改革の中でも、人材不足への支援や確保、設備更新などを要望した。