龍郷町安木屋場今井大権現祭

黒糖焼酎を神前に供え祈りを捧げた参拝客ら

クガツクンチに集落内外から大勢
豊年、家内安全を祈願

 旧暦の9月9日(クガツクンチ)に当たる17日、龍郷町安木屋場集落(阿世知正博区長)の今井権現の「今井大権現祭」があった。集落内外から多くの参拝客があり、社殿内で酒を供え、祈りを捧げた。

 祭りは海の女神と天の男神を招き、豊年や家内安全などを祈願するもの。かつては多くのユタが参加し海辺で祈りを捧げ、海水を同神社付近の山頂に運び儀式を行っていた。15年に同神社神主を務めた阿世知照信氏が逝去して以降は、集落住民らが祭りの運営を引き継いだ。

 この日は、午前9時半を過ぎると集落内外から多数の参拝者が見えた。参拝者らは、用意した黒糖焼酎に祝詞の書いた紙を巻き神前に供え、手を合わせた。

 阿世知区長によると、供えものの餅は紅白33個ずつ、祈る際には鐘を7回鳴らすなど、祭りに関して多くのしきたりが守られている。午前中に三度祈ることも決まりになっており、一度目の祈りを済ませた参拝客らは帰ることなく、社殿やその周辺で歓談し、昼食を取った。

 午後1時ごろには社殿前で八月踊りや六調を踊り、にぎやかに祭りを締めくくった。阿世知区長は「高齢化が進んでおり、階段を上ることができない人も多い。行事の持続・継承方法を考え、大切にしていきたい」と話した。