生産、品質向上技術に向け事例紹介や、意見が交わされた
県園芸振興協議会は25日、奄美市名瀬の県農業開発総合センター大島支場で「奄美地域マンゴー生産技術向上研修会」を開いた。講師から奄美のマンゴー生産上の課題や対応策など事例紹介があり、品質向上や生産技術向上について見識を深め意見を交わした。26日は現地研修会で、剪定=せんてい=後の枝梢管理を実施する。
研修会はマンゴーの産地である奄美において、生産上の課題など情報共有し意見交換する目的。昨年の大崎町での開催時に、奄美からの参加者もあったので今回初めて奄美での研修会となった。
開会で同支場の久米隆志支場長があいさつ。「各島の課題や対策の情報を共有し、マンゴーの生産振興につなげてもらいたい。これからも品質、生産向上にますます取り組んでほしい」と話した。
県農産園芸課花き果樹係の川田原智之技術専門員が、県のマンゴー振興について解説。「鹿児島県のマンゴー生産量は、沖縄、宮崎に次いで全国3位。県全体では2007年から13年まで順調に推移し、14年以降は伸びが鈍化して生産量も伸び悩んでいる」と説明した。
奄美の産地について、「(県内の)栽培面積の7割、生産量の5割が奄美」と指摘した。課題として担い手不足や、着花不良や無胚果、果皮障害の発生による生産性や品質面への悪影響などを挙げた。
次いで奄美群島のマンゴー生産上の技術課題と対応について、各島の事例紹介。奄美大島は実態調査から課題を、▽害虫の被害▽着花が不十分▽アルカリ障害の症状―を上位に抽出した。
徳之島や沖永良部島からは、収量が安定しない生産性向上の課題や日焼け果の発生などが報告された。
大島支場からは生産安定技術について試験研究の成果などを紹介。これまで、着花安定技術や高品質安定生産技術などの確立に努めてきて、現在は新作型・高品質果実生産技術開発に注力。また昼温30度以上が花芽減少につながることから、11月以降の花芽分化期の栽培管理でハウスの開放を提言した。
参加した生産農家などから、害虫対策や剪定時期などに関する質問や意見交換が行われた。