瀬戸内町で「牛飼い塾」

「牛飼い塾」では、瀬戸内町内の畜産業の現状や、仕事内容などを学んだ

18年度開講 畜産新規就農者発掘へ

 瀬戸内町は26日、町内の畜産業について学ぶ2018年度「牛飼い塾」を開講した。同日は同町役場で、県大島支庁農政普及課瀬戸内駐在の石原浩二技術専門員による、町内畜産業の現状や仕事内容、特徴的な経営事例などの講話があった。

 同町内の子牛出荷額(17年度)は約2億5千万円で、農業総産出額の約54%に上る。一方で、高齢化などの影響で農家数は10年前(08年)の44戸から減少し、今年2月現在で24戸。同月現在460頭と、母牛の飼育頭数も14年の488頭をピークに減少傾向にある。

 町はこうした現状を受け、畜産業への関心を高め新規就農者を発掘するため、昨年度から同塾を開講。塾ではセリ市場や、畜産農家の見学なども行う。昨年度の受講者数は延べ25人だった。

 今年度初回となったこの日は、6人が受講。肉用牛繁殖経営に関して仕事内容や、特徴的な事例の解説があった。石原技術専門員は同経営を、①母牛を育てる②子牛を育てる③エサ(草)を作る―の3作業に大別し説明。また設備・機械類の共同使用による初期投資抑制、園芸との複合経営など特徴的な事例の紹介もあった。

 この日受講した町内で園芸農業を営む上野岳史さんは「用地や後継者の確保など園芸にも共通する課題が多いと学べた。他分野から学ぶことも多い」と語った。

 同町農林課の田原浩治営農畜産係長は「今後はなるべくお金をかけず畜産経営ができるようなハード面への支援も考える必要がある」と語った。

 同塾は今年度中に4回開催予定。第2回開催は11月10日。瀬戸内家畜市場(手安)を見学し、セリや出荷の流れなどを学ぶ。時間は午前8時半から。受講希望者は事前連絡が必要。

 問い合わせは電話0997―72―1174(瀬戸内町農林課営農畜産係)まで。